Matrixブラウザ

Matrixブラウザを使用し、HyperMeshおよびHyperViewデータエンティティの詳細を表示し、後の解析のために外部ファイルにエンティティをエクスポートします。

PostリボンでMatrixツールをクリックします。


図 1.
Matrixブラウザは2つのメインセクションで構成されます。ブラウザの上半分は、テーブルビューで、Excelスプレッドシートに類似しています。ブラウザの下半分は、HyperMesh/HyperView(data source)とそのデータエンティティ(object)名とデータ名(ttributes)を表示することができます。HyperMeshデータベースエンティティは緑で、HyperViewデータベースエンティティは黄色で表示されます。テーブル内のカラムを選択すると、そのカラムがアクティブになり、青色の枠線が表示されます。以降の検索は、アクティブなカラムで実行されます。


図 2.

Matrixブラウザの機能群

Matrixブラウザでサポートされる主な機能を以下に示します。
  • 難しいTclコーディングをすることなくHyperMeshHyperViewデータエンティティのクエリと編集が可能
  • ポスト処理やレポート作成のためのHyperMeshおよびHyperViewデータのExcelへのエクスポート
  • モデルデータ(材料、プロパティ、梁断面)と結果データに1つの環境でアクセスするためのHyperMeshHyperView間のリンクの構築。ブラウザは、HyperView結果データベースからの複数荷重ケースの選択をサポート。
  • 最小のTclコーディングでの新規プロシージャー(マクロ)の作成を可能にし、Tclスクリプトとして自動プロセスを保存。これらのマクロは、Altair script exchange内のツールと同様Matrixブラウザ外からも利用可能。
注: Matrixブラウザでは、新たなHyperMeshエンティティの作成はできません。ツールは、既存のエンティティデータのクエリと編集をします。このブラウザでは、形状(ライン、サーフェス、ソリッド)データクエリはできません。ここでは、HyperMesh/HyperViewデータベース内の既存の有限要素データと結果を扱うことを想定しています。

Matrixブラウザを使用するための準備

  1. 既存のHyperMeshモデルを開く、またはソルバーデータをインポートします。
  2. 分割スクリーンを使用し、HyperViewを起動します。
  3. HyperMeshに解析データとして結果ファイルを読み込みます。
  4. Postリボンから、 Matrix ツールをクリックします。


    図 3.


    図 4. . モデルがHyperMeshHyperViewで開きます。
    注: HyperViewは、結果がMatrixブラウザからアクセスされた場合のみ必要です。HyperWorksを使用して、ブラウザHyperMeshからHyperViewの機能群にアクセスします。

Matrixブラウザを使用したHyperMeshデータアクセス

  1. DataSourceカラム内でHMdataを選択します。
  2. EntitiesカラムでHyperMeshエンティティを選択します。
  3. Queryをクリックします。
  4. パネル領域のエンティティセレクターを使用して、マトリックスに追加するHyperMeshエンティティを選択します。
    新たに緑色のカラムがマトリックスに追加されます。
  5. マトリックスでelementsヘッダーをクリックしてエンティティデータにアクセスします。
    クリックするとelementsカラムが青色になり、検索操作に対してエンティティがアクティブになります。elementsカラムに表示されている要素IDに関するHyperMeshデータベースのエンティティ属性がDatanamesカラムに入力されます。


    図 5.
  6. material、property、その他の属性を選択し、Queryをクリックします。
    1つ以上のカラムが追加されます。材料を選択した場合、材料IDが表示されます。
  7. 次に材料からEとNuを取得します。materialカラムをアクティブにし、データ名からENuを選択します。


    図 6.
  8. Queryをクリックします。
  9. このプロセスをpropertyにも繰り返し、要素の板厚を取得します。
DerivedデータはHyperMeshデータには保存されていません。これは、Matrixブラウザによってプロシージャーが定義されており、HyperMeshデータから利用価値の高いデータを計算します。これらのTclプロシージャーを作成し、Matrixスタートアップに保存するこができます。これらは、derived_datanamesとしてブラウザ内に表示されます。あらかじめインストールされたderived_datanamesは、width、height、radius、adjacentです。

HyperMeshデータベースからのHyperView結果へのアクセス

複数のサブケースを有するHyperMeshデータベースからのHyperView結果へのアクセス

  1. HyperWorksで、グラフィックス領域を2つのウィンドウに分割します。最初の画面で、HyperMeshを使用してモデルファイルを読み込みます。2つ目の画面で、HyperViewを使用して結果ファイルを読み込みます。
  2. PostリボンでMatrixツールをクリックします。


    図 7.
    Matrixブラウザが開きます。
  3. DataSourceカラム内でHMdataを選択します。
  4. Entitiesカラムで、必要な要素を直接選択するか、コンポーネント、材料、プロパティ、またはセットを選択します。
  5. DataSourceカラム内でHVdataを選択します。
  6. Entitiesカラム内でResultsを選択します。
  7. Subcase Optionsカラム内でmultiple_subcasesを選択します。


    図 8.
  8. ソルバー結果で使用可能な結果タイプを選択します。


    図 9.
  9. 層情報(可能な場合)とその結果が解釈される結果座標系を選択します。
    ユーザー定義の座標系結果は、HyperViewで座標系が使用可能である限り使用可能です。
  10. デフォルトでは、マトリックスはそれぞれのサブケースの結果のみを個別のカラムで表示します。追加情報を取得するには、右クリックしてコンテキストメニューからShowカラムを選択します。

現在のサブケースを有するHyperMeshデータベースからのHyperView結果へのアクセス

Current_subcaseの選択はmultiple_subcaseとほぼ同じですが、マクロの実行時に複数のワークシートを作成できるようになる点が異なります。
  1. HyperWorksで、グラフィックス領域を2つのウィンドウに分割します。最初の画面で、HyperMeshを使用してモデルファイルを読み込みます。2つ目の画面で、HyperViewを使用して結果ファイルを読み込みます。
  2. PostリボンでMatrixツールをクリックします。


    図 10.
    Matrixブラウザが開きます。
  3. DataSourceカラム内でHMdataを選択します。
  4. Entitiesカラムで、必要な要素を直接選択するか、コンポーネント、材料、プロパティ、またはセットを選択します。
  5. DataSourceカラム内でHVdataを選択します。
  6. Entitiesカラム内でResultsを選択します。
  7. Subcase Optionsカラム内でcurrent_subcaseを選択します。


    図 11.
  8. 結果タイプを選択します。
  9. HVSubcasesダイアログで層および座標系の情報を選択します。
    現在のサブケースの結果がカラムに表示されます。


    図 12.
  10. MacroプルダウンからSaveをクリックします。


    図 13.
  11. MacroプルダウンからRunをクリックします。
  12. マクロが実行を終了すると、荷重ケースを選択するよう求められます。複数の荷重ケースを選択した場合、現在の荷重ケースと同様に、荷重ケースごとに個別のワークシートが作成されます。


    図 14.
  13. シミュレーションに対応するワークシートを選択します。

現在のコンター結果を有するHyperMeshデータベースからのHyperView結果へのアクセス

  1. HyperViewで必要な結果とコンターデータを選択します。


    図 15.


    図 16.
  2. PostリボンでMatrixツールをクリックします。


    図 17.
    Matrixブラウザが開きます。
  3. DataSourceカラム内でHVdataを選択します。
  4. Entitiesカラム内でResultsを選択します。
  5. Subcase Optionsカラム内でcurrent_contourを選択します。


    図 18.
  6. 現在コンターを選択しても、ユーザーに荷重ケース、層、または座標系情報を求めるメッセージは表示されません。表示させる結果は、HyperViewでクエリされ、マトリックスに送られます。

コンポーネント / セット / 材料 / プロパティの最大 / 最小結果のクエリ

コンポーネント / セット / 材料 / プロパティの最大 / 最小結果をクエリすると、HyperMeshはそのコンポーネント内の要素の最大 / 最小値を検索し、単一値とその値が発生した要素ID / 荷重ケースIDを表示します。
  1. DataSourceカラム内でHMdataを選択します。
  2. Entitiesカラムでcomponents、sets、materials、またはpropertyを選択します。


    図 19.
  3. DataSourceカラム内でHVdataを選択します。
  4. 結果と必要なデータタイプを選択します。
  5. HVSubcasesダイアログで、層、コーナーのデータタイプ、座標系、および平均化方法を選択します。


    図 20.
    そのコンポーネントの最大 / 最小結果が表示されます。個別のカラムの追加のデータ行に特定のデータの荷重ケースと節点 / 要素情報が表示されます。


    図 21.

HyperViewでの注釈の作成

Matrixブラウザで、右クリックコンテキストメニューオプションNotes to HVを使用して、選択したカラム結果の注釈(HV-注釈)を作成および削除できます。


図 22.


図 23.

Matrixブラウザでのユーザーデータの作成と取得

HyperMeshまたはHyperViewデータベースにない追加データ(ユーザーデータ)を追加することが必要とされることがあります。
  1. Data Sourceカラムのuser_dataをクリックします。
  2. user variables GUIカラムのCreateをクリックします
  3. variable typesカラムのdoubleをクリックします
  4. Queryをクリックします。
  5. ダイアログにはカラムラベル名が与えられ、Multiple valuesを選択してCreate a column on OKチェックボックスをアクティブにします。


    図 24.
  6. OKをクリックします。
    ユーザーデータがMatrixブラウザに追加されます。
  7. マトリックスで、作成したユーザーデータを右クリックし、コンテキストメニューからCreate Metadataを選択します。
  8. ダイアログで、メタデータを作成するエンティティを選択します。


    図 25.
  9. エンティティベースのメタデータを使用してこのデータを取得します。


    図 26.

Microsoft Excelとの利用

  1. HyperMeshHyperView、およびユーザーデータを Matrixブラウザ内で取得したら、ブラウザの右上隅にあるExcelをクリックしてExcelにエクスポートすることができます。
  2. エクスポートする必要のないカラムは、右クリックしからHide Columnsを選択します。


    図 27.
  3. また、カラムを追加することもできます。新たなカラムをExcelからMatrixブラウザにインポートするには、Matrixをクリックします。

HyperMeshまたはHyperViewでのデータ表示

  1. HyperMeshでデータを表示します。
    1. Correlations > Contourをクリックします。
      ダイアログが開きます。
    2. elementsをEntity Column labelに選択し、Net_areaをColumn on Y欄に選択します。
    3. OKをクリックします。
      HyperMesh内にコンターが表示されます。
  2. HyperViewでデータを表示します。
    1. Export > HyperViewをクリックします。
    2. エクスポートするカラムを選択します。
      エクスポートされたデータがHyperView内で表示されます。このデータを、他のHyperViewデータタイプと同じ手順でポスト処理することができます。


      図 28.


      図 29. . HyperMeshHyperViewの両方でのコンター表示。

Tcl計算プロシージャーの追加

HyperMeshには、Tclプログラミング言語をベースにした組み込みスクリプト言語が用意されていますTclは、HyperMeshおよびHyperViewの機能、更に内部データにアクセスするのに使用されます。下記の例は、シェル要素の 2D-Force-YYから要素ひずみ(yy)を計算するものです。
  1. Data Sourceカラムのuser_dataをクリックします。
  2. user variables GUIカラムのCreateをクリックします
  3. variable typeカラムのProcedureをクリックします
    ダイアログが開きます。
  4. カラムと関数名を入力します。
  5. Create a column on OKチェックボックスを選択します。
  6. Matrixカラム名を元に以下のTclコードを追加し、OKをクリックします。
    proc Element_strain_calc  { } {
      set force_fyy[::MatrixBrowser::getColumn2D_Element_Force:YY]
      set width [::MatrixBrowser::getColumn Width]
      set young_mod [::MatrixBrowser::getColumn E]
      set thickness [::MatrixBrowser::getColumn PSHELL_T]
     set Strain_yy ""
     set Strain_yy [expr $force_fyy/$width/$thickness/$young_mod]
     return $Strain_yy
    }


    図 30. . Element_strainsが計算され、表示されます。

プロシージャーの保存とMatrixブラウザ外からの再利用

前のセクションで作成したプロセスはマクロ(スクリプト)として保存し、HyperMeshのほかのデータモデルまたはHyperViewデータベースで再利用することができます。
  1. Macro > Saveをクリックします。
  2. Macro Nameをダイアログに入力しOKをクリックします。
    このマクロは、メニューバーに追加し、Matrixブラウザを使用せずにアクセス実行することもできます。スクリプトが保存され、HyperWorksスクリプトとしてMatrixツールなしで再利用できます。


    図 31.

コンテキストメニュー

Matrixブラウザの右クリックコンテキストメニューには、追加のブラウザオプション群が含まれます:

オプション 説明
インポート マトリックスまたはCSVのインポート
Export HyperViewまたはCSVのエクスポート
Correlation Contour、Shape、VectorまたはPlotを選択
Refresh MatrixブラウザまたはHyperMeshセッションのリフレッシュ
Delete 選択された行、カラム、テーブル全体の削除
マクロ マクロの保存または実行
Show all Columns  
カラムの表示  
Hide Columns エクスポートしない一部カラムの非表示
Entity Highlight Show all、Show、Hide、Isolate、または Isolate Onlyを選択
Clear all テーブルのクリア
Notes to HV 注記の作成または削除
Create Metadata マトリックスで選択されたユーザーデータのメタデータの作成および保存