時間ステップの調整: 操作
概要
時間ステップ調整機能により、ユーザーはFluxで自動的に時間ステップの選択を管理できます。ユーザーは、時間ステップが変化できる変動範囲を指定するだけです。
時間ステップの調整により、以下のような物理的不連続性を高い精度で検出できます:
- ばねを含むシステムでのトルク計算
- 制御されるスイッチの使用(切り替え時間)
- 不連続な熱源(さまざまなフェーズの加熱と冷却)
- キュリー温度前後のガウス現象での温度に依存するモデルの使用
…
動作原理
時間ステップの予測修正アルゴリズムでは、解析プロセス中に時間ステップ値の自動適合が可能です。これにより、状態変数(問題の未知数)の変動の関数で、時間ステップの調整が可能です。動作原理を次の表に示します。
ステージ | 説明 |
---|---|
1 |
Fluxは、前の2つの時間ステップ(AnおよびAn-1)から、状態変数()の値を予測します。 |
2 |
Fluxは、この予測値を実際に計算した値()と比較します。 |
3 |
これらの値に差がある場合は以下のようにします:
最大反復回数は5に設定されています。 |
制限:Fluxは、ユーザーによって設定された制限(時間ステップの最小値 / 最大値)内で、時間ステップの値を小さく / 大きくすることができます。
適応ステップの使用
時間ステップを調整するには、次の操作手順に従います:
ステップ | 動作 |
---|---|
1 | 解析シナリオscenario_adjustを作成します。 |
2 |
解析範囲の境界を設定します:
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3 |
変化方法を選択します:適応時間ステップ |
4 |
次の値を設定します:
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操作上の注意点(下限)
計算時、このアルゴリズムは、予測値と計算値の差を最小にするために必要なだけの回数に、時間ステップの値を減少させます。
反復回数は5回に制限されています。アルゴリズムがユーザーによって指定された最小値に達した場合、最後の時間ステップが保持されます。その後、計算が次の時間ステップに渡り、解析プロセスが通常通り継続されます。
したがって、MT連成回路や機械連成問題の場合、適切な条件で解析するのに十分小さい最小時間ステップを選択することをお勧めします。ただし、計算時間は長くなる場合があります。
誘導電流が流れるソリッド導体の問題では、慎重に時間ステップを選択する必要があることに注意してください。
使用上の注意点(上限)
時間ステップの上限が大きすぎる場合、下の図に示すような特定の物理現象が隠れる可能性があります。