Flux-Simulink連成解析:Simulinkモデルの準備

概要

Fluxプロジェクトを準備できたので、Simulinkモデルを準備できます。

Flux SupervisorからMatlab Simulinkを開くと(必ずこの操作で開く必要があります)、Simulinkライブラリに新しいライブラリとして« Coupling with Flux »が追加されます。

目的とするモデルの構築に必要な、連成ライブラリをはじめとする各種ライブラリを追加してその特性を指定することによって、Simulinkモデルを準備する必要があります。

Simulinkライブラリ

従来のFlux 2D向けに作成されている旧ライブラリのりストに、Flux - Matlab Simulink連成の新しいライブラリが追加されます。

追加された新しいライブラリがSimulinkライブラリで占める場所を次の図に示します。

要素 関数
Flux_Linkライブラリ Flux - Matlab Simulink連成を収めたライブラリ。Flux SupervisorのSimulinkリンクからMatlab Simulinkを開いた場合にのみ、このライブラリがSimulink Library Browserで自動的にアクセス可能になります。
連成ブロック

FluxとSimulinkを連成できます。

64ビットのシステムであれば、このセクションをFlux 2DとFlux 3Dで使用できます。

« Coupling with Flux »ブロック

Simulinkで使用できる新しいブロック«Coupling with Flux»にはいくつかのプロパティがあり、該当の各タブに分類されています。

  • Project
  • Solver
  • Application
  • Memory

以降の各項では、これらの各タブの内容について詳しく説明します。

« Project »タブ

«Project»タブの内容は次のとおりです。

要素 関数
Flux to Matlab project name (*.F2MS)

*.F2MS(Flux to Matlab Simulinkを意味しています)プロジェクトの名前を入力できます。2つのソフトウェア間で確実に連成が機能するためには、Fluxプロジェクトの名前と同じ名前にします。

拡張子.F2MSを正しく入力します。

Multiplexed inputs/outputs

入出力の表現を選択できます。

  • 個別表現(入出力の単一ブロック)

    入力パラメータと出力パラメータそれぞれの接続。

  • « vector »表現(項目化した複数の入出力ブロック)

    すべての入力パラメータと出力パラメータに共通の接続およびすべての出力パラメータへの1つの共通接続。

    次を追加する必要があります:

  • Mux入力ライブラリ: 必要な数の入力を持つライブラリ
  • Demux出力ライブラリ: 必要な数の出力を持つライブラリ
個別の入出力ブロック ベクトル入出力ブロック

« Solver »タブ

«Solver»タブの内容は次のとおりです。

要素 関数
Minimal input variation (%) to run FLUX computation 2回の計算ステップの間でFluxによる計算が実行されないように、計算のトリガーとなる入力パラメータの変化率(%)を定義できます。この目的は、Fluxによる計算がシステム的には実行されないようにして、いくつかのSimulink時間ステップを実行できるようにすることにあります。
Automatic delay (one time step)

Fluxによる出力パラメータの計算を1ステップの遅延で実行し、次のステップを計算する間に、計算したこのパラメータをSimulinkに送信できます。

出力と入力との間に逆方向操作がある場合は、代数ループの発生を防止するために、この自動遅延モードが不可欠です。

出力パラメータが1ステップ遅延することから、逆方向操作がない場合は自動遅延をアクティブ化しないようにします。

Flux console display Fluxの操作を入力する補足ウィンドウを表示できます。このウィンドウは、Fluxの形状ビューの下に配置されるHistoricalゾーンと同等です。

« Application »タブ

«Application»タブの内容は次のとおりです。

要素 関数
Version

解析プロセスでSimulinkと連成ずるFluxのバージョンを選択できます。次の選択肢があります:

  • Fluxバージョン10.4: 新しいFlux - Simulink連成が使用できるようになった最初のバージョン。
  • 最新バージョン: インストールされている最新バージョンを選択できます。
注: アプリケーションに関する情報(2Dまたは3D)は*.F2MSファイルに記述されていて、自動的に考慮されます。

どのバージョンでも静的初期化は同じです。アプリケーションを定義するときにFluxプロジェクトでアクティブになるか非アクティブになります。

« Memory »タブ

«Memory»タブの内容は次のとおりです。

要素 関数

Numeric memory

Flux向けに割り当てる数値メモリを定義できます。
注: “0”を指定すると、動的メモリでFluxが起動します。
Character memory Flux向けに割り当てる文字メモリを定義できます。
注: “0”を指定すると、動的メモリでFluxが起動します。

シミュレーションパラメータの設定

シミュレーションパラメータの設定は、Simulinkを介した方法でのみ可能で、Simulation > Configuration parametersメニューで実行します。