一方向導体: 概要

説明

一方向導体はチューブ状(1D)の導体であり、この導体によって電流の特別な経路を特定できます。

作成

一方向導体は次の手順で作成します:

  • ジオメトリックチューブからは自動的に作成されます。
  • 従来の形状記述*から直接作成します。
注: *この手順についてはUnidirectional Conductor by Assimilationに概要の説明があります。形状作成の標準的ツール(ポイント、ライン、フェイス、ボリューム)を使用して作成した導体も、計算ではチューブ状構造として扱われます。

方向

Unidirectional Conductorには、電流の入出力の順序による方向が必ずあります。

この方向は次のように定義します:

  • Geometric Tubeから得られたUnidirectional Conductor: 中立素分に属するTube Pointsの順序で方向を定義します。

  • Unidirectional Conductor by Assimilation: 電流の入出力フェイスを始点として定義します。

整合性

Unidirectional Conductorの断面は電流経路上のどの位置でも同じです。この断面形状にどのような変化があっても、新たなUnidirectional Conductorが作成されます。

メッシング

シミュレーションを実行するために、Unidirectional Conductorの断面はメッシュ化されます。つまり、次の図のように、電流密度が均一であることを想定した基本的な複数のワイヤに導体が分割されます。

Supplied Conductors (AC)アプリケーションとSupplied Conductors (DC) – ARCADアプリケーションでは、Unidirectional Conductorsを長さ方向にもメッシュ化して、基本的なワイヤを短い要素に細分化できます。この2番目の離散化は、計算結果のポスト処理の際に適用することもできます。そのようにしても、導体の電流密度の計算には影響がないからです。

一方で、磁束密度とラプラス力の計算の中には、このような離散化によって高精度化できるものがあり、そのグラフィック表示の精度も高くなります。特に、次の場合にその傾向が強くなります:

  • Supplied Conductors (AC)アプリケーションでは、長さ方向を大量の要素でメッシュ化して向上するのは、複数の導体に対して実行するラプラス力の大域計算のみです。
  • Supplied Conductors (DC) – ARCADアプリケーションでは、長さ方向のメッシュ化によって、上記の大域計算が向上するほか、磁束密度、導体の単位長さあたりのラプラス力、導体全体に対するラプラス力のそれぞれを表す矢印の密度を高くすることができます。

端子

Unidirectional Conductorsの端子は自動的に作成されます。

これは次のように定義されます:

  • Geometric Tubeから得られたUnidirectional Conductors: 中立素分を定義しているTube Pointごとに端子が作成されます。

  • Unidirectional Conductors by Assimilation: 電流の入出力フェイスに対応する端子が作成されます。このフェイスは、導体を作成するときにその作成者が最初に入力します。