ボリュームメッシュアルゴリズム

概要

Fluxでは、ボリュームを自動的にメッシュするため、Delaunayメッシャー、Netgenメッシャー、MeshGemsメッシャーの3つのジェネレーターが用意されています。

以下で、これら3つのメッシャーについて説明します。

Delaunayメッシャー: プロセス

Delaunayメッシャーによるメッシュ生成は、次の表および図のように2つのフェーズで実行されます。

ステージ 説明
1 境界メッシュを生成します。
2 内部節点を境界メッシュ要素に挿入します。

MeshGemsメッシャー: プロセス

MeshGemsは、MG-Tetraモジュールによって、三角形のサーフェスメッシュからボリュームの四面体メッシュを生成します。MeshGemsはDistene社(http://www.distene.fr/)より販売されています。

DelaunayとMeshGemsの比較を次の表に示します。

  Delaunay MeshGems
特性
  • このメッシャーは、Fluxのメッシャーとして長年にわたって使用されています。
  • サーフェスメッシュを再構築してボリュームのメッシュを構築できます。
  • サーフェスメッシュが考慮されます(節点は挿入されません)。
  • 堅牢なメッシャー => 他のシミュレーションツールによってテスト済みです。

利点 /

欠点

  • 緩和が重要な場合がある => 節点とメッシュ要素が少ない
  • デバイスのメッシュに時間がかかる
  • 押し出しメッシュが難しい
  • 緩和が小さい => 節点とメッシュ要素が増加する
  • Delaunayと比べて、デバイスのメッシュにかかる時間が短く、メッシュの品質が高い
  • 混合メッシュに適している

*留意事項:3Dでは、Delaunayメッシャーを使用した混合メッシュ(マップドメッシュ / 自動メッシュ)の場合、メッシュフロントの生成時に、特定の節点をフェイス上に挿入する必要があります。この挿入はマップドフェイスでは禁止されています。挿入した場合は、Delaunayメッシャーでエラーが発生します。この問題には、Netgenメッシャーの方が適しています。

Netgenメッシャー: プロセス

Netgenメッシャーによるメッシュ生成は、次の表および図のように複数のフェーズで行われる反復プロセスです。

ステージ 説明
1 ドメイン境界上のフロントを初期化します。
2 このフロントは、メッシュ化領域と非メッシュ化領域の境界になります。
3

反復計算ごとに、次の操作が行われます:

  • フロントによるドメインのカバー(単一の要素層の作成)
  • ドメインフロントの具体化
4 ドメイン全体がメッシュされたら、プロセスを停止します。

註:このメッシャーは将来のバージョンでは使用できなくなります。

メッシュの最適化

どのメッシャーを選択しても、Fluxでは、自動ボリュームメッシュを最適化するためのアルゴリズムを等しく提供します。

最適化によって次のことが可能になります:

  • メッシュ品質の向上
  • 要素数の低減

プロセスの最適化

メッシュの最適化とは、特定の定義済み基準に応じてボリューム要素の分割や結合を行うための反復プロセスです。全体的な目標は、メッシュ品質の向上と要素数の低減です。

反復回数は、次のように結果の品質とプロセス時間に影響を与えます:

  • 平均品質で短いプロセス時間に最適化: 1回の反復
  • 高品質で長いプロセス時間に最適化: 5回の反復

デフォルトの反復回数は3に設定されています。これは、品質と時間のバランスが良い値です。