磁気特性B(H)を作成するためのツール: 数値モデル(スプライン)の特異性
概要
本項では、数値モデルのケースにおける磁気特性B(H)の作成について説明します。
主な内容は次のとおりです:
- 数値モデルの記述(標準スプラインと平滑化スプライン)
- 数値モデルのケースにおいて磁気特性B(H)を作成するための操作モード
2つの記述モード
次の2種類のモデル記述モードを使い分けることができます:
- 標準スプラインモード
- 平滑化スプラインモード
標準スプラインモード
標準スプラインモードでは、ユーザーが入力したポイントの集合によって曲線B(H)が定義されます。
ユーザーは、次のルールに従って値ペアB,Hを入力します:
- 値ペアB,Hは増加数列で、その初期値は(0,0)である必要があります。
- 飽和にいたるまでの曲線B(H)全体を表すには、十分な数のポイントを指定する必要があります(この数の範囲は4~200です)。
- 最後付近のポイントは勾配μ0の漸近線に近接している必要があります。
μincremental(H)
平滑化スプラインモード
この平滑化モードでは、曲線B(H)の定義は簡素化されます。この定義モードで必要なポイントは標準スプラインモードより少なくなります。
曲線B(H)は次の3つの部分に分割されます:
- 1つ目の部分は、ゼロを通るホモグラフィック関数であり、B(H)依存性の屈曲を表しています。この部分は、ユーザーが指定した値ペア(B,H)によって定義され、ユーザーが指定した最後の値ペアで終了します。
- 2つ目の部分は、曲線B(H)の1つ目の部分と最後の部分に正接接続されるホモグラフィック関数です。
- 3つ目(最後)の部分は、勾配μ0の直線です。この直線では、原点H = 0における縦座標が飽和磁化Jsとなります。
- 値ペア(B,H)は増大していく必要があります。
- ユーザーは、B(H)曲線の1つ目の部分(屈曲まで)を次のポイントによって表す必要があります:
- 5~8個の代表ポイント
- この曲線上に配置された3つのポイント
- ユーザーは、B(H)曲線の漸近線部分を定義するために、飽和磁化Jsの値を入力する必要があります。
操作モード
数値モデルで磁気特性B(H)を作成するには、次の操作モードに従います:
ステップ | 動作 |
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1 |
my_baseという材料ベースで
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2 |
B(H)タブで
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3 |
モデルのゾーン内で
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4 |
モデル記述用のゾーンで
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→ | アシスタントを開きます。 |
外部データ / ウィザード | |
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ステップ | 動作 |
1.外部データ |
外部データが存在する場合… そうでない場合:
|
2.平滑化スプライン |
平滑化スプラインの場合:
|
3.合成 | Nextをクリックします。 |
外部データ
次の表に、これまでに説明した内容をまとめます:
モデル | ポイント(外部データ) | ポイント(スプライン曲線) |
---|---|---|
標準スプライン | 外部データは、曲線の通過点に対応します(アクセスおよび変更が可能なポイント)。 | 標準スプライン曲線のポイントは外部データに対応しています(等価)。 |
平滑化スプライン | 外部データは、初期ポイントに対応しています(アクセスおよび変更が可能なポイント)。 | 平滑化スプライン曲線のポイントは、外部データの平滑化後に計算されるポイントに対応しています。 |
アドバイス
平滑化モードで作業する場合は、それぞれの変更時に必ずチェックボックスをオンにしてください。