相転移

説明

相転移は、特定の外部パラメータ(温度や磁界など)の変化によって生じる金属材料の変態です。

このような変態としては、以下が挙げられます:

  • 材料状態の変化:
    • 固相、液相、気相間の転移
  • 結晶微細構造の変化(下記の鉄の例をご参照ください)
  • 磁気挙動の変化:
    • キュリー点における磁気材料の強磁性挙動から常磁性挙動への転移
  • 電気挙動の変化
    • 特定のセラミックは臨界温度を下回ると超伝導状態になります。

追加情報

相転移の次数の概念。

  • 一次相転移は潜熱を伴う転移です。このような転移時には、システムは定量のエネルギーを吸収または放出します。
  • 二次相転移は、“連続相転移”とも呼ばれ、潜熱とは無関係です。

鉄ボディの例

次の図は、鉄ボディの熱容量の温度依存性を示しています。

この図は、以下を示しています。:

  • 二次相転移:
    • T= 1033K: 強磁性鉄 / 常磁性鉄の変態(キュリー点において)
  • 一次相転移:
    • T= 1183K: α鉄(cc) / γ鉄(cfc)の変態
    • T= 1673K: γ鉄(cfc) / α鉄(cc)の変態
    • T= 1812K: α鉄(cc) / 液体鉄の変態

鉄ボディの熱容量の温度依存性: