OS-T:1600 圧電ハーベスターアセンブリの流体-構造相互作用解析

本チュートリアルの目的は、流体-構造相互作用解析、すなわち、OptiStruct非線形過渡解析をAcuSolve流体動解析と連成させて行う方法を示すことにあります。

本チュートリアルでは、圧電ベースの流体エネルギーハーベスターを使用する可能性を探ります。このようなハーベスターは、安定した均等な流れに使用可能であるという点で、自励式かつ自律的です。このコンフィギュレーションは、圧電片持ち梁、および、渦の離脱と急速な増大により生じる持続的な空力弾性構造振動を増進させる円筒形の先端ボディ(構造モデル)から成ります。ハーベスターの構造おより空力特性は、圧電梁の振幅と振動数および流体フローを変化させます。流体フローを用いた圧電エネルギーハーベスティングは、3つの異なる動的システム(流体、構造および関連する電気回路)の相互作用を伴います。
注: 本チュートリアルは、流体および構造領域のスタディのみに限られます。
Figure 2は、本チュートリアルに使用される流体構造モデルを表しています: 梁の寸法はFigure 1Figure 2とのとおりです。

pfsi_energy_harvester_model_intro
図 1. 問題のモデル

pfsi_beam_with_various_layers
図 2. 梁の各層

AcuSolve流体モデル(slab_dcfsi.inp)とOptiStruct構造梁モデル(Slab.fem)は、fsi_models.zipファイルに含まれています。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。

HyperMeshの起動とOptiStructユーザープロファイルの設定

  1. HyperMeshを起動します。
    User Profilesダイアログが現れます。
  2. OptiStructを選択し、OKをクリックします。
    これで、ユーザープロファイルが読み込まれます。ユーザープロファイルには、適切なテンプレート、マクロメニュー、インポートリーダーが含まれており、OptiStructモデルの生成に関連したもののみにHyperMeshの機能を絞っています。

モデルの読み込み

  1. File > Import > Solver Deckをクリックします。
    Importタブがタブメニューに追加されます。
  2. File typeにOptiStructを選択します。
  3. Filesアイコンfiles_panelを選択します。
    Select OptiStruct Fileブラウザが開きます。
  4. 自身の作業ディレクトリに保存したSlab.femファイルを選択します。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。
  5. Openをクリックします。
  6. Import、続いてCloseをクリックし、Importタブを閉じます。

モデルのセットアップ

接触サーフェスの作成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Set Segmentを選択します。
    デフォルトの接触サーフェスがエンティティエディターに表示されます。
  2. NameにFSI_Interaction_Surfと入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Elementsに0 elements > elementsをクリックし、梁のすべての面をピックします。

    os_1600_surf
    図 3. 梁の前面以外のすべての面
  5. addをクリックし、接触サーフェスに面を追加します。
  6. returnをクリックし、パネルから抜けます。

非線形パラメータの定義

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
    デフォルトの荷重コレクターテンプレートがエンティティエディターに表示されます。
  2. NameにNLPARM_Cardと入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageには、NLPARMを選択します。
  5. 図 4に示された値を入力します。
    詳細については、NLPARMバルクデータエントリをご参照ください。

    os_1600_nlparm
    図 4.

過渡時間ステップパラメータの定義

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
    デフォルトの荷重コレクターテンプレートがエンティティエディターに表示されます。
  2. NameにTSTEP_Cardと入力します。
  3. Card Imageには、TSTEPを選択します。
  4. TSTEP NUMに、1と入力します。
  5. table_pencilをクリックし、図 5に示された値を入力します。
    詳細については、NLPARMバルクデータエントリをご参照ください。

    os_1600_tstep
    図 5.
  6. Closeをクリックして終了します。

非線形解析の増分結果出力の定義

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
    デフォルトの荷重コレクターテンプレートがエンティティエディターに表示されます。
  2. NameにNLOUT101と入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageには、NLOUTを選択します。
  5. 図 6に示された値を入力します。
    詳細については、NLPARMバルクデータエントリをご参照ください。

    os_1600_nlout
    図 6.

流体-構造相互作用パラメータの定義

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
    デフォルトの荷重コレクターテンプレートがエンティティエディターに表示されます。
  2. NameにFSI100と入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageには、FSIを選択します。
  5. 図 7に示された値を入力します。
    詳細については、NLPARMバルクデータエントリをご参照ください。


    図 7.

出力コントロールパラメータの定義

  1. Analysisページからcontrol cardsをクリックします。
  2. GLOBAL_OUTPUT_REQUESTをクリックします。
  3. DISPLACEMENT、ELFORCE、OLOAD、STRESS、STRAINで、OptionにYesをセットします。
  4. returnを2回クリックし、メインメニューに進みます。

非線形過渡解析サブケースの生成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Stepを選択します。
  2. NameにFSIと入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Analysis typeには、Nonlinear transientを選択します。
  5. Load Collectorを入力 / 選択します。

    os_1600_load_collector
    図 8.
  6. 以下のように、NLOUTバルクデータエントリをSUBCASE_UNSUPPORTEDエントリとして参照します:

    os_1600_subcase_unsupported
    図 9.

ジョブのサブミット

  1. AnalysisページからOptiStructパネルをクリックします。

    OS_1000_13_17
    図 10. OptiStructパネルへのアクセス
  2. save asをクリックします。
  3. Save Asダイアログで、OptiStructモデルファイルを書き出す場所を指定し、ファイル名としてSlabと入力します。
    OptiStruct入力ファイルには、拡張子 .femが推奨されます。
  4. Saveをクリックします。
    入力ファイル欄には、Save Asダイアログで指定されたファイル名と場所が表示されます。
  5. export optionsのトグルをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをanalysisにセットします。
  7. memory optionsのトグルはmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックし、OptiStructジョブを開始します。
ジョブが成功した場合、Slab.femが書き出されたディレクトリに新しい結果ファイルがあるはずです。何らかのエラーがある場合、Slab.outファイルはデバッグを手助けするエラーメッセージを探すのに良い場所です。

実行の開始

  1. Compute Console (ACC)を起動し、Slab.femファイルを選択します。
  2. Runをクリックします。

AcuSolveジョブのサブミット

  1. AcuSolve入力ファイル(slab_dcfsi.inp)をテキストエディタで開きます。
  2. EXTERNAL_CODEブロック内のsocket_hostパラメータを自身のマシンのhostnameに変更し、ファイルを保存します。

    os_1600_acusolve_command
    図 12.
  3. AcuSolveアプリケーションを開き、コマンドacuRun-pb slab_dcfsi -np 8を入力します。


    図 13.
ジョブが成功した場合、 HyperMeshが起動されたディレクトリに新しい結果ファイルが確認できます。何らかのエラーがある場合、Slab.outファイルは入力データのデバッグを手助けするエラーメッセージを探すのに良い場所です。
そのディレクトリに書かれるデフォルトのファイルは:
cci.txt
モデルの進行に関する情報を含みます。結合の確立、初期外部コードハンドシェイク、およびエクスチェンジ / スタガーと連動した後続のタイムステップに関したログ。
Slab.html
問題の定式と解析結果のサマリーに関する解析のHTMLレポート。
Slab.out
シミュレーション開始前のモデルチェックと実行結果のいくつかの基礎的情報を与えるASCIIベースの出力ファイル。
Slab.stat
解析のプロセスの間のそれぞれのステップでのCPU情報を提供するプロセスの要約。
Slab.h3d
圧縮されたHyperViewバイナリ結果ファイル。

結果の表示

HyperViewを用い、1.0 s時の変位のコンターをプロットします。


図 14.