OS-T:1610 マニホールドの熱流体-構造相互作用解析

本チュートリアルの目的は、共役熱伝達および構造変形を伴うエンジンの排気マニホールドについて熱流体-構造相互作用解析を行う方法を示すことにあります。

この例は、共役熱伝達および構造変形を伴うエンジンの排気マニホールドです。構造はねずみ鋳鉄で、初期段階では300 K。マニホールドの外表面は、300 Kで h = 6 W/m2 K の熱伝達係数を有し、マニホールドへの4つのインレットは、5 m/sの流体としての空気で、500 Kに保たれています。AcuSolveは熱流束をOptiStructに渡します。OptiStructは温度をAcuSolveに渡します。
注: 本チュートリアルは、流体および熱領域のスタディのみに限られます。
AcuSolve流体モデル(FSI_AS_MANIFOLD.inp)とOptiStruct構造梁モデル(FSI_OS_MANIFOLD.fem)ファイルは、tfsi_models.zipファイルに含まれています。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。

os_1610_model

os_1610_model2
図 1. 流体構造モデル

HyperMeshの起動とOptiStructユーザープロファイルの設定

  1. HyperMeshを起動します。
    User Profilesダイアログが現れます。
  2. OptiStructを選択し、OKをクリックします。
    これで、ユーザープロファイルが読み込まれます。ユーザープロファイルには、適切なテンプレート、マクロメニュー、インポートリーダーが含まれており、OptiStructモデルの生成に関連したもののみにHyperMeshの機能を絞っています。

モデルの読み込み

  1. File > Import > Solver Deckをクリックします。
    Importタブがタブメニューに追加されます。
  2. File typeにOptiStructを選択します。
  3. Filesアイコンfiles_panelを選択します。
    Select OptiStruct Fileブラウザが開きます。
  4. 自身の作業ディレクトリに保存したFSI_OS_MANIFOLD.femファイルを選択します。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。
  5. Openをクリックします。
  6. Import、続いてCloseをクリックし、Importタブを閉じます。

モデルのセットアップ

接触サーフェスの作成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Set Segmentを選択します。
    デフォルトの接触サーフェスがエンティティエディターに表示されます。
  2. NameにFSI_Interaction_Surfと入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Elementsオプションをクリックし、すべての内部フェースをピックします。
    ヒント: 内部フェイス内の要素をすべてピックするには、ブレーク角30度を使用します。

    os_1610_contact_surf
    図 2.
  5. addをクリックし、接触サーフェスに面を追加します。
  6. returnをクリックし、パネルから抜けます。

流体-構造相互作用パラメータの定義

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
    デフォルトの荷重コレクターテンプレートがエンティティエディターに表示されます。
  2. NameにFSI100と入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageには、FSIを選択します。
  5. 図 3に示された値を入力します。
    詳細については、NLPARMバルクデータエントリをご参照ください。


    図 3.

出力コントロールパラメータの定義

  1. Analysisページからcontrol cardsをクリックします。
  2. GLOBAL_OUTPUT_REQUESTをクリックします。
  3. THERMALおよびFLUXについて、OptionをYesにセットします。
  4. returnを2回クリックし、メインメニューに進みます。

熱伝達過渡解析サブケースの生成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Stepを選択します。
  2. NameにTFSIと入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Analysis typeには、Heat Transfer (transient)を選択します。
  5. Load Collectorを入力 / 選択します。

    os_1610_load_collector
    図 4.

ジョブのサブミット

  1. AnalysisページからOptiStructパネルをクリックします。

    OS_1000_13_17
    図 5. OptiStructパネルへのアクセス
  2. save asをクリックします。
  3. Save Asダイアログで、OptiStructモデルファイルを書き出す場所を指定し、ファイル名としてFSI_OS_MANIFOLDと入力します。
    OptiStruct入力ファイルには、拡張子 .femが推奨されます。
  4. Saveをクリックします。
    入力ファイル欄には、Save Asダイアログで指定されたファイル名と場所が表示されます。
  5. export optionsのトグルをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをanalysisにセットします。
  7. memory optionsのトグルはmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックし、OptiStructジョブを開始します。
ジョブが成功した場合、FSI_OS_MANIFOLD.femが書き出されたディレクトリに新しい結果ファイルがあるはずです。何らかのエラーがある場合、FSI_OS_MANIFOLD.outファイルはデバッグを手助けするエラーメッセージを探すのに良い場所です。

実行の開始

  1. Compute Console (ACC)を起動し、FSI_OS_MANIFOLD.femファイルを選択します。
  2. Runをクリックします。

AcuSolveジョブのサブミット

  1. AcuSolve入力ファイル(slab_dcfsi.inp)をテキストエディタで開きます。
  2. EXTERNAL_CODEブロック内のsocket_hostパラメータを自身のマシンのhostnameに変更し、ファイルを保存します。

    os_1600_acusolve_command
    図 7.
  3. AcuSolveアプリケーションを開き、コマンドacuRun-pb FSI_AS_MANIFOLD -np 8を入力します。


    図 8.
ジョブが成功した場合、 HyperMeshが起動されたディレクトリに新しい結果ファイルが確認できます。何らかのエラーがある場合、FSI_OS_MANIFOLD.outファイルは入力データのデバッグを手助けするエラーメッセージを探すのに良い場所です。
そのディレクトリに書かれるデフォルトのファイルは:
cci.txt
モデルの進行に関する情報を含みます。結合の確立、初期外部コードハンドシェイク、およびエクスチェンジ / スタガーと連動した後続のタイムステップに関したログ。
FSI_OS_MANIFOLD.html
問題の定式と解析結果のサマリーに関する解析のHTMLレポート。
FSI_OS_MANIFOLD.out
シミュレーション開始前のモデルチェックと実行結果のいくつかの基礎的情報を与えるASCIIベースの出力ファイル。
FSI_OS_MANIFOLD.stat
解析のプロセスの間のそれぞれのステップでのCPU情報を提供するプロセスの要約。
FSI_OS_MANIFOLD.h3d
圧縮されたHyperViewバイナリ結果ファイル。

結果の表示

HyperViewを用い、1.0 s時の変位のコンターをプロットします。


図 9.