概要

複合材に関する用語とモデリング方法の紹介。

用語

複合材モデリングの用語。

個々の複合材パートが1つの積層材を構成します:
  • 積層材は、プライを特定の順序で積み重ねることで作成されます。
  • プライは、複数の構成要素(通常は繊維 / マトリックス)からなります。
  • 積層材ゾーンは、積層材内の一定の厚みの領域です。
  • 基準方向によって、繊維方向が回転される起点となる共通の方向が定義されます。


図 1.

モデリング手法

複合材のモデリング手法。

複合材のシェルベースのモデリング手法としては、プライベースのシェルモデリングとゾーンベースのシェルモデリングがあります。

プライベースのシェルモデリング

プライベースのモデリング。

プライベースのモデリングでは、複合材の製造プロセスと整合しているFEA手法を使用できます。プライベースモデリングエンティティは、一般的なソルバーゾーンベースの複合材プロパティに取って代わるものであり、これらのプロパティを生成できます。

有効なプライベースモデルには、次のエンティティが含まれます:
積層材
一般に、物理パートあたり1つの積層材が定義されます。主に、積層材には積み重ねられたプライ群が含まれます。さらに積層材では、積層材内のプライの対称性と反復が、ABDマトリックスを操作できる情報と共に指定されます。
プライ
プライは、材料、厚み、方向(要素 / プロパティの材料方向上の基準から)、形状(FEAベースの場合は要素または要素セット。ジオメトリベースの場合は、ライン、サーフェス、またはソリッド)、およびプライタイプ(プライの材料プロダクト)を定義します。
テンプレートプロパティ
ユーザープロファイルがOptiStructの場合は、PCOMPPが使用されます。別のユーザープロファイルが選択されている場合は、標準のゾーンベースの複合材シェルプロパティが使用されます。このプロパティでは、オフセットや非構造質量のような一般的なソルバー固有属性が定義されます。層情報を入力する必要はありません。この情報は、設定済みのプライと積層材から自動的に入力されます。
1つの積層材、7つのプライ、1つのテンプレートプロパティで構成された複合材パートを以下に示します。


図 2.

必要に応じてプライベースのモデルを使用して、ゾーンベースのシェルモデル、連続体シェル、ソリッドモデルを生成できます。

ゾーンベースのシェルモデリング

ゾーンベースのモデリング。

ゾーンベースのモデルでは、一定の厚みの各ゾーンにおいて層プロパティのテーブルが定義されます。各プロパティ上の層には、HyperMeshプライと似た情報が含まれていますが、これらの層によって、製造されたとおりのプライの形状に関する情報が明示的に伝達されることはありません。一部のソルバーでは“グローバル”ID / 名を定義でき、これにより、ゾーン間での層の結合方法が指定されます。


図 3.