Compositeブラウザ

Compositeブラウザを使用して、複合材モデリングデータの作成、分類、管理を行います。

Compositeブラウザは、プライベースモデルで使用されるエンティティとツールを統合しています。プライベースのモデルは、Compositeブラウザ内で作成、編集、レビューが可能です。また、ABD matrix calculationなどのComposite stress toolbox機能は、関連するエンティティのコンテキストメニューで提供されます。

ブラウザのインターフェース

Compositeブラウザのインターフェースです。

Compositeブラウザは2つの領域に分かれています。
  1. 上部には、プライベースまたはゾーンベースの複合材データが階層的に表示されます。
  2. 下側には、エンティティエディターが含まれます。


図 1.

ビュー

複合材のビュー。

ビューのオプションはCompositeブラウザの上部に表示されます。

Laminateビュー

Laminateビューには、プライベースモデルの構築で使用されるエンティティが表示されます。下記の内容が含まれます。
  • Laminates
  • Plies
  • Shapes (sets)
  • Properties
  • Materials
  • System Collectors
  • Tables


図 2.
Laminateビューは、プライベースモデルの作成、編集、レビューに使用されます。ドラッグ&ドロップ機能によって、積層材内でプライを積み重ねたり、境界積層材内でサブ積層材を積み重ねたりすることもできます。
  • Unstacked Pliesフォルダーと、積み重ねられる積層材間で、プライをドラッグできます。
  • 積層材内でのプライの順序は、1つまたは複数のプライをその積層材内の新しい位置にドラッグすることで操作できます。
  • 境界積層材とサブ積層材は、1つまたは複数の積層材を別の積層材にドラッグすることで定義できます。親は境界積層材になり、子はサブ積層材になります。このモデリング技法の詳細については、境界積層材をご参照ください。
  • Analyzeコンテキストメニューオプションからアクセス可能な、材料、プライ、および積層材のレベルのComposite stress toolbox計算。

Zoneビュー

Zoneビューには、要素セットによって定義された形状を持つプライのみを含む積層材内の一定の厚みのゾーンがすべて表示されます。ゾーンには、積層材を構成しているプライのサブセットが含まれます。プライの一意の各サブセットに、1つのゾーンが計算されます。プライベースのモデルが作成および編集されると、ゾーンが自動的に計算されます。現在の機能は次のとおりです:
  • Analyzeコンテキストメニューオプションからアクセス可能な、ABDマトリックス計算などの積層材レベルのComposite stress toolbox計算。
  • ゾーンを通過するプライの方向、厚み、材料の編集。すべての変更内容は、編集されたプライを含むすべてのゾーンに伝播されます。


図 3.

方向の可視化

方向可視化方法。

方向を可視化する方法には、プライと積層材のコンテキストメニューのReview Orientationsからアクセスできます。これらの各方法の仕組みは、ほとんどのブラウザで使用できるセレクターツールと似ています。いずれかの方向設定方法がアクティブになっている場合、選択されたプライの要素上に方向ベクトルがプロットされます。


図 4.
  1. Ply 1 Direction:プライ1方向(繊維)の向きを表示します。選択されたプライにドレープテーブルが割り当てられている場合は、このベクトルの一部としてドレープ補正が含まれます。
  2. Material Reference:材料基準方向のx、y、z軸を表示します。これは、プライ方向の回転の基準となる方向です。

Composite Stress Toolbox

Composite Stress Toolbox機能。

Composite stress toolbox機能は、関連するエンティティのコンテキストメニューで提供されます。Engineering Constantsと関連する材料/積層材マトリックスを計算することができます。
  • Laminates:プライ形状が要素セットを使って定義されている場合、積層材の板厚を含むすべてのゾーンが表示されます。1つ以上のプライに形状が定義されていない場合、積層材のプライの全リストが使用されます。
  • Zones
  • Plies
  • Materials

さらに、積層強度解析、荷重応答解析、First ply failure解析を行うための解析エンティティを作成することができます。詳細については、Composite Stress Toolboxをご参照ください。

ソルバー固有の詳細

さまざまなソルバーの詳細。

Compositeブラウザで作成されたエンティティには、標準的なプライベースモデル用の最も一般的なソルバーカードが割り当てられます。ソルバーカードに基づいてプロパティと形状がフィルタリングされ、プライベースモデル用の適切なカードのみが表示されます。また、OptiStructプロファイルでは、積層エンティティとプライエンティティの作成時に、これらに適切なカードが設定されます。

OptiStruct

エンティティ 表示されるカード
Property PCOMPP
Set SET_ELEM、None

Radioss

エンティティ 表示されるカード
Property PCOMPP
Set SET_ELEM、None

Abaqus

エンティティ 表示されるカード
Property *SHELL_SECTION_COMPOSITE(“Defined layers”が選択されていない状態)
Set ELSET、None

ANSYS

エンティティ 表示されるカード
Property SECTYPE(TYPE=SHELL、PLIES=0)
Set SET_ELEM、None

LS-DYNA

エンティティ 表示されるカード
Property SectShll
Set Shell、None

Nastran

エンティティ 表示されるカード
Property PCOMPP
Set SET、None

コンテキストメニュー

Compositeブラウザコンテキストメニューから、追加の複合材オプションにアクセスできます。

コンテキストメニューのアイテムは、使用可能な場合にのみ表示されます。
エンティティ 対象エンティティ 説明
Analyze 積層材、材料、プライ、ゾーン 従来のComposite stress toolbox計算を実行します。
Assign プロパティ 選択したテンプレートプロパティを要素に割り当てるためのダイアログを開きます。
Card Edit 積層材、材料、プライ、プロパティ、形状、座標系コレクター、テーブル 任意の単一アイテムのカードを編集できます。複数のアイテムを編集できますが、そのためにはそれらで同じカードイメージが使用されている必要があります。このオプションでは、現在のソルバーテンプレート用に選択されたエンティティのカードイメージが表示されます。テンプレートが読み込まれていない場合や、読み込まれたテンプレートに関連付けられたカードイメージがそのエンティティに含まれていない場合は、ステータスバーにエラーメッセージが表示されます。
Collapse すべてのフォルダー、積層材 選択されたフォルダーとその子フォルダー(存在する場合)を閉じて、選択されたフォルダーのみが表示されるようにします。
Collapse All 空白領域 ツリー構造内のすべてのフォルダーを閉じて、最上位のアイテムのみが表示されるようにします。
Create 空白領域とエンティティフォルダー 選択されたタイプのエンティティを作成し、それをエンティティエディターで開きます。
Delete All 選択されたエンティティを削除します。削除対象のエンティティに子エンティティが含まれている場合、それらは削除されません。
Drape 積層材、プライ Kinematic Drapeにアクセスします。詳細については、ツールをご参照ください。
Duplicate 積層材、材料、プライ、プロパティ、形状、座標系コレクター 選択されたエンティティを複製し、エンティティエディターで開きます。プライの場合は、複数回複製することもできます。
Empty 積層材、プライ、形状 空のコレクターをプレビュー、削除します。
Expand すべてのフォルダー、積層材 選択されたフォルダーと子フォルダーをツリー構造内で開き、選択されたフォルダー内でネストされているすべてのアイテムを表示します。
Expand All 空白領域 全ツリー構造内のすべてのフォルダーを開き、全階層でネストされているすべてのアイテムを表示します。
Export 積層材(プライとサブコンフィグのみ) 積層材データをエクスポートします。ファイルタイプは次のとおりです:
  • スプレッドシート - 積層材内のプライのフォーマット済みテーブル
  • Catia Stack Up
Hide 積層材、材料、プライ、プロパティ、形状、座標系コレクター、ゾーン

グラフィックス領域内のエンティティの表示をオフにします。この選択によって、各アイテムのローカルな表示状態が変化します。すなわち、アイコンが淡色表示になり、表示状態がオフであることが示されます。このオプションは、エンティティフォルダーで使用することもできます。その場合、これによって、そのフォルダー内のすべてのアイテムが非表示になります。

Import 積層材(プライとサブコンフィグのみ) 積層材データをインポートします。ファイルタイプは次のとおりです:
  • スプレッドシート - 積層材内のプライのフォーマット済みテーブル
  • Catia Stack Up
Insert プライ(積層材のみに含まれています) 新しいプライを作成し、積層材内の選択されたプライの上に挿入します。
Interfaces 積層材(境界コンフィグのみ) 境界積層材の境界を定義するためのInterfacesダイアログを開きます。Interfacesによって、サブ積層材が相互に接触する順序が指定されます。詳細については、境界積層材をご参照ください。
Instance プライ(積層材のみに含まれています)

入力された数のインスタンスプライを生成します。インスタンスプライは、メインプライを正確に複製したものです。メインプライに加えた変更は、すべてのインスタンスに伝播されます。インスタンスを直接編集した場合、メインプライへのリンクは解除されます。

Isolate 積層材、材料、プライ、プロパティ、形状、座標系コレクター、ゾーン グラフィックス領域内で選択されたエンティティを分離して表示し、他のすべてのエンティティは非表示にします。
Orient 空白領域 Orientは、要素方向を操作するためのツールへのアクセスに使用します:
  • Element Normal – 要素方向を操作するためのOrientation Reviewツールにアクセスします。可視化をご参照ください。
  • Material – Aerospace Material Orientationツールにアクセスします。航空宇宙用複合材ツールをご参照ください。
  • Ply Normal – プライ法線を操作するためのOrientation Reviewツールにアクセスします。可視化をご参照ください。
Realize 積層材 選択された積層材用のゾーンベースのソルバープロパティカードを生成します。詳細については、Laminate Realizeダイアログをご参照ください。
Realize プライ ジオメトリを使用して定義されたプライ形状を、要素セットによって定義された形状に変換します。ジオメトリによって定義される形状をご参照ください。
References All 1つまたは複数の任意のアイテムを選択できます。Referencesブラウザが開かれ、選択されたエンティティとモデル内の他のエンティティの関係が階層ツリー構造で表示されます。
Remove プライ 選択されたプライを親積層材から削除して、Unstacked Plyフォルダーに移動します。
Rename All

名前のテキスト欄で任意アイテムの名前を変更できます。新しい名前は一意である必要があります。名前を変更したアイテムのすべてのインスタンスは自動的に更新されます。名称変更をキャンセルするには、Escを押します。上位レベルのエンティティフォルダーは編集できません。ただし、アセンブリ階層を含むフォルダーの名称は変更できます。

Reverse Orientation 積層材、プライ 選択された積層材内の選択されたプライの向きを-1倍します。
Reverse Sequence 積層材 積層材に含まれているプライの積層順序を反転させます。
Review 積層材、材料、プライ、プロパティ、形状、座標系コレクター、ゾーン 表示状態、マスク状態、アクティブ状態にかかわらず、選択したエンティティを表示するレビューモードを起動します(Entity Stateブラウザ)。
Review Orientations 積層材、プライ 選択されたプライまたは積層材に含まれている要素上に方向ベクトルをプロットします。次の2つのオプションを選択できます:
  • Ply1 Direction – プライ1方向(繊維)の向きを表示します。選択されたプライにドレープテーブルが割り当てられている場合は、このベクトルの一部としてドレープ補正が含まれます。
  • Material Reference – 材料基準方向のx、y、z軸を表示します。これは、プライ方向の回転の基準となる方向です。
Run 解析 選択された解析を実行して、結果を専用ウィンドウに表示します。
Show 積層材、材料、プライ、プロパティ、形状、座標系コレクター、ゾーン グラフィックス領域にアイテムを表示します。このアイテムのアイコンが強調表示に変化し、表示状態がオンであることが示されます。Showオプションは、エンティティのフォルダーレベルでも使用できます。
Show All 空白領域 Compositeブラウザに含まれているすべてのエンティティを表示します。
Smooth   Aerospace Ply Geometry Smoothingツールにアクセスします。詳細については、航空宇宙用複合材ツールをご参照ください。
不使用 材料 データベース内で参照されていないエンティティをプレビューして削除します。