Laminates

積層材エンティティは、積層構造を構成する積層プライのリストを定義します。

積層材のタイプとオプション

追加のオプションには、プライの半分を作成するだけで済むようにするための対称性の制御(すべてのソルバー)と、ABDマトリックスの計算方法を操作する解析手法(OptiStructのみ)が含まれます。

積層材には以下の3つのタイプがあります:
プライ積層材
T接合がないパートをモデル化するために使用されます。一般的な例としては、平坦、または湾曲したパネルが挙げられます。
サブ積層材
パートのT接合のような複雑なジオメトリを持つ部分をモデル化するために使用されます。例としては、キャップやI型ビームのウェブが挙げられます。
境界積層材
複雑なジオメトリを持つパートのサブ積層材を接合するために使用されます。
次の表のアイテムによって積層材データが構成されます。
オプション 説明
Name 積層材の名前。
Card Image ユーザープロファイルがOptiStructの場合はSTACK。ユーザープロファイルがRadiossの場合は/STACK。その他のソルバーの場合はNone。
Type 積層材の対称性を制御します。また、積層材のABD計算を操作します(OptiStructのみ)。
Total
すべてのプライを指定する必要があり、すべての剛性項が展開されます。
Membrane
すべてのプライを指定する必要がありますが、膜項のみが展開されます。
Bending
すべてのプライを指定する必要がありますが、曲げ項のみ展開されます。
Smear
B = 0およびD = [A]*(T^2)/12と設定することで、積層順序の効果が除去されます。
Smear Core
積層内の最後のプライによってコアが指定されます。それより上のプライによってフェイスシートが指定されます。コアの剛性は無視されます。フェイスシートの剛性は、上記のSmearの計算を使用して求められます。半分の厚みのフェイスシートがコアの上に配置され、半分がコアの下に配置されて、対称な積層材が生成されます。
対称
複合材レイアップの下半分のプライのみを指定する必要があります。これらプライは、複合材の上半分に自動的かつ対称的に反映され、下から上に向かって連続した番号が割り当てられます。
Symmetric Membrane
積層の下半分のプライのみを指定する必要があります。積層材全体の膜項のみが展開されます。
Symmetric Bending
積層の下半分のプライのみを指定する必要があります。積層材全体の曲げ項のみが展開されます。
Symmetric Smear
積層の下半分のプライのみを指定する必要があります。剛性は、上記のSmearの計算を使用して求められます。
NRPT 積層材内のプライの反復回数。

プライ積層材

プライ積層材は、平坦な複合材構造や湾曲した複合材構造上のプライエンティティの積層順序を定義します。

プライ積層材のプライの積層方向は、要素の法線方向です。

次の図は、Edit Laminateダイアログでのプライ積層材の積層を示しています。


図 1.
次の図は、プライ積層材の積層方向を示しています。


図 2.

サブ積層材

サブ積層材は、複雑なジオメトリを持つモデルの一部で、プライエンティティの積層順序を定義します。

サブ積層材のプライの積層方向は、関連する境界積層材内の境界定義によって定義されます。このサブ積層材が境界積層材に追加されるまでは、積層方向は任意です。

次の図は、サブ積層材のプライ順序を示します。


図 3.

境界積層材

境界積層材は、コーナーを包み込む複雑な積層構造を定義するために使用します。

境界積層材は、構造のサブ積層材がどのように結合されるのかを指定します。

境界積層材のサブ積層材の積層方向は、その要素の法線方向です。境界積層材内の境界は、2つのサブ積層材のどのプライが互いに接触する(接合する)のかを定義します。サブ積層材のプライの正確な積層順序が特定され、それによって、この境界内のサブ積層材の2つのプライが指定されます。

境界積層材内に積層された各サブ積層材には、1つ以上の境界定義が必要です。

次の図は、一般的なT接合の境界積層材定義を示しています。


図 4.

サポートされるソルバーカード

積層材エンティティでサポートされているソルバーカード。

次の表に、それぞれのソルバーカードとサポートされている積層材エンティティを示します。
ソルバーカード 積層材エンティティ
Abaqus なし。テンプレートプロパティ(*SHELL SECTION COMPOSITEまたは*SHELL GENERAL SECTION)を、複合材パート内のすべての要素に割り当てます。積層材をリアライズすると、このテンプレートプロパティの属性が生成されたすべてのゾーンプロパティに渡されます。積層材名が各プロパティのLAYUP属性に移入されます。
ANSYS なし。テンプレートプロパティ(SECTYPE SHELL)を、複合材パート内のすべての要素に割り当てます。積層材をリアライズすると、このテンプレートプロパティの属性が生成されたすべてのゾーンプロパティに渡されます。
LS-DYNA なし。テンプレートプロパティ(HyperMeshのコンポーネントエンティティの*PART COMPOSITE)によって、複合材パート内のすべての要素が収集されます。積層材をリアライズすると、このテンプレートプロパティの属性が生成されたすべてのゾーンプロパティに渡されます。
Nastran PCOMPP(PCOMPGまたはPCOMPにリアライズするオプション)。積層材をリアライズすると、このテンプレートプロパティの属性が生成されたすべてのゾーンプロパティに渡されます。
OptiStruct PCOMPP
Radioss
  • LAM_STACK – 作成時に/PROP/PCOMPPが自動的に生成されます。
  • P17_STACK – 作成時に/PROP/STACKが自動的に生成されます。
  • P51_STACK – 作成時に/PROP/TYPE51が自動的に生成されます。