対称性を利用することの計算上の利点

モデル内での対称性の利用は行列方程式の計算に影響し、必要な実行時間とメモリを削減できる可能性があります。

形状の対称性

任意に配置された給電源は非対称の電流分布をもたらします。この結果、すべてのメッシュ上にあるすべての未知の係数を求める必要が生じます。対称性を考慮しなくても、求める行列方程式は結果的に考慮した場合と同じものになります。

ただし、行列方程式を設定するための計算時間は短縮されます。この時間短縮は、任意の2つの基底関数間の相互作用がそれらと対称な基底関数間の相互作用と同じであることを利用して達成されます。

電気的 / 磁気的対称性

電気的 / 磁気的対称性を利用すると、行列方程式のエントリの計算に必要な時間が短縮されます。対称性を利用する主な利点は、未知の係数の数が2分の1に減少することです。求める連立一次方程式には、電気的 / 磁気的対称性のないモデルと比べて半分の次元しか存在しません。

モーメント法MoM)には密行列が含まれるため、対称性の利用により、必要なメモリ量が4分の1(=2*2)に減少します。

有限要素法FEM)では疎行列となるため、対称性の利用により、必要なメモリ量は2分の1に減少します。未知の係数の削減によって、行列方程式の解析時間の大幅な短縮も実現します。