より線導体コンポーネント
概要
物理学的な観点から見たより線導体は、1本または複数本の細いワイヤを基本導体として構成されています。導体の全断面にわたって電流密度が事実上一定になるように、このワイヤの直径は表皮深さよりも小さくなっています。
より線導体: 表現
より線導体は次のように表現されます:
- 有限要素ドメインでは、より線導体タイプの領域で表現(3Dでは非メッシュ化コイルで表現)
- 電気回路では、より線導体タイプのコンポーネントで表現
より線導体: U、I、Φの関係
電流I、電圧U、磁束Φの基本的な関係は次の式で与えられます。
より線導体コンポーネントを流れる電流は、該当のコイルの各芯線(巻線)を流れる電流Iです。
より線導体端子間の電圧は、コイル芯線のモデル化アセンブリの端子間電圧Uです。
ここで:
- R: コイルの抵抗
- Φ: コイル芯線のアセンブリによって保持される磁束
抵抗
より線コンポーネントの抵抗Rは、コイル芯線アセンブリの抵抗に等しい値です。
R=n⋅Rstrand=n(ρ⋅l/Sstrand)
芯線の断面積は次のようになります。
Sstrand=F⋅Sregion/n
各値の意味は次のとおりです:
- ρ: 材料の固有抵抗
- l: より線の長さ。これは、モデル化したデバイスの2Dでの深さです。
- F: スペースファクター(0<F<1)(サーフェスのうち、より線が占有する面積 / モデル化した領域のサーフェス面積)
-
n: 芯線の本数