メッシュの制約

概要

デバイスの領域のうち、2つの問題で広く扱われる領域に適用したメッシュは、解析対象とする磁気現象と熱現象に対応している必要があります。

SM問題におけるメッシュの制約

誘導電流によって表皮効果が発生することはよく知られています。渦電流が無視できない値になる領域では、貫通深さに対して要素が2つ以上となるような細かいメッシュが必要です。

注意:

温度が上昇すると透磁率が低下するので、貫通深さの値は大きくなります。したがって、それに応じてメッシュを予測する必要があります。

TT問題におけるメッシュの制約

表皮効果の場合の電磁量の変化と同様に、熱問題では次の2つの現象に起因して、状態変数としての温度が指数関数的に変化します:

  • 断熱材のように温度勾配が大きい領域における熱伝導。一般的に断熱材は電気伝導性がある領域ではないので、電磁問題では、このような領域には粗いメッシュを適用する傾向がある点に注意します。
  • 熱特性、比熱、熱伝導率に起因する熱過渡分布。これは、熱源である誘導電力密度が、加熱されるパートの表面全体に分布している場合です。

熱的な貫通深さはペクレ数(熱方程式の輸送項と保存項の比率)で定義します。誘導電流の貫通深さよりも熱的貫通深さが薄くなることがある点に注意します。