3Dの例:回転運動(技術文書)
前書き
このパラグラフは、技術文書:“3D回転運動のチュートリアル”で詳細に取り上げているケースの要約です。
このスタディ対象ケースに関連するファイルには、supervisorのOpen Exampleコンテキストを介してアクセスできます。
実行するスタディ
3Dチュートリアル“回転運動”で提示されているスタディは、車の速度表示に使用するトランスデューサーを扱っています。
調査対象デバイス
下の図に示すスタディ対象デバイスは、以下の要素で構成されています:
- 1つの金属フレーム(非導電性)
- 長さ方向に磁化した1つの永久磁石
- 磁石の周囲で互いに直交するように固定した2つの矩形平面コイル
操作
このデバイスの動作は次のとおりです:
- 速度センサーで車速を測定し、それを電流に変換した情報をトランスデューサーのコイルに供給します。
- 可動永久磁石の位置は2つのコイルを流れる電流の関数になるので、磁石に固定した針によって車速を示すことができます。
- このデバイスの動作は、コンパスと同等であると見なすことができます。
処理例
3D技術文書に記述されたシミュレーションを、次の4つのケースのスタディを使用してFluxで実行します:
- ケース1: 運動がないパラメトリックスタディ(固定の角度位置)
- ケース2: マルチスタティックモデルを使用したスタディ(さまざまな角度位置)
- ケース3: 適用速度モデルを使用したスタディ
- ケース4: 連成荷重モデルを使用したスタディ
ケース1
1番目のケースはパラメトリックスタディ(Magneto Staticアプリケーション)です。
このケースでは、デバイスの可動パート(永久磁石)は動きません。
フレームの直径、フレーム材料の比透磁率、コイルを流れる電流をはじめとするさまざまなパラメータによる影響を調べます。2つのコイルには、値が同じ電流が流れます。
このケースの目的は、上記で定義したパラメータのさまざまな値について電磁トルクと磁束密度を計算することにあります。
ケース2
2番目のケースは、マルチスタティックモデル(Magneto Staticアプリケーション)を使用したスタディです。
このケース(マルチスタティックモデル)では、デバイスの可動パートをさまざまな位置に配置します(必要に応じて固定した状態にすることもできます)。
任意の位置に置いた可動パート周辺の磁界を計算します。2つのコイルには、値が同じ電流が流れます。
このモデルを使用すれば、さまざまな位置にある磁石に作用するトルクを評価できます。このスタディでは、2つのコイルに対して磁石が均衡状態になる位置を判断します。これは、コイルに対して約45°の角度をなす位置です。
ケース3
3番目のケースは、適用速度モデル(Transient Magneticアプリケーション)を使用したスタディです。
このケース(適用速度モデル)では、デバイスの可動パート(磁石)が、コイルを流れる電流値に関係なく、一定の速度で外部デバイスによって駆動されます。コイルには電力が供給されません。
電界と回路の連成タイプであるこのモデルの利点は、磁石の運動によって2つのコイルに誘導される電圧を評価できることにあります。
ケース4
4番目のケースは、連成荷重モデル(Transient Magneticアプリケーション)を使用したスタディです。
このケース(連成荷重モデル)では、機械的な値で記述できる特性を備えた外部デバイスを可動パートで駆動します。2つのコイルには、値が同じ電流が流れます。
このモデルの利点は、磁石の位置と速度の時間変化および磁石に作用する電磁トルクの時間変化を検討できることにあります。