Steady State AC Magnetic: プレゼンテーション
プレゼンテーション
Steady State AC Magneticアプリケーションを使用すると、特定の周波数で高調波を発生する状態(正弦波定常状態)にあるデバイスをスタディできます。
マクスウェルの方程式の複素画像では、すべての物理量が時間とともに特定の周波数の正弦関数で変化すると見なされます。磁界は時間とともに変化する電流によって発生し、その時間変化は正弦関数に限られています(磁石タイプの領域は使用できません)。
このアプリケーションでは、導電性領域に誘導される電流(渦電流)が考慮されます。また、導電性領域の表皮効果*と近接効果*も考慮されます。
重要な結果
Steady State AC Magneticアプリケーションを使用して得られる結果は次のとおりです:
- Magneto Staticアプリケーションの場合と同様の結果
- 渦電流領域で発生する誘導電流およびジュール効果による電力損失
計算する物理量は、時間とともに特定の周波数の正弦関数で変化します。この量はその複素画像を使用して表現します。
この時間依存量から、インダクタンスなどの全体的な時間依存量を計算できます。
用途
Steady State AC Magneticアプリケーションを使用すると、さまざまなドメインでデバイスをモデル化できます。このようなデバイスとして、誘導加熱、変圧器タンク(一般的な条件下での電磁適合性、特殊な条件下での電磁スクリーニング)、定常状態の回転機械などがあります。
デバイスに関連付けた電気回路を数値モデルで考慮する必要がある場合に、Steady State AC Magneticアプリケーションを磁界と回路との連成*タイプとすることができます。定常状態にある誘導加熱や変圧器などのスタディで使用できます。このアプリケーションを運動連成で使用することはできません。
複素画像に関する制限事項
注意:Steady State AC Magneticアプリケーションのコンテキストでは、すべての物理量が複素画像を使用して表現されます。
複素画像による表現は以下の仮定の下で有効です:
- すべての材料が線形であること
- 供給源が時間とともに正弦関数で変化すること(磁石が存在する領域は使用できません)
これらの仮定を考慮すれば、多くのデバイスをスタディできます。さらに、次のブロックで示すように、複素画像の用途を拡張できる状況も考えられます。
許容できる近似
次のようなケースで複素画像表現の用途を拡張できます:
- 非線形特性を持つ材料を考慮する場合。このケースでは、目的の量が正弦関数変化ではなくなりますが、エネルギーの等価性に基づく方法を使用すれば、その量が時間とともに正弦関数で変化することを考慮した、“等価”と考えることができるB(H)関係を定義できます。したがって、近似した結果は正弦波関数による変化の形式で表現されるので、結果を比較的正確に把握できます。
- 線形材料であれば、界の供給源が正弦波関数で変化していなくても、フーリエ級数への分解を使用して複数の高調波問題の重ね合わせとして捉えることができます。この可能性を非線形材料にまで拡張している事例もあります。