完璧な接地面が存在する場合
概要
パワーエレクトロニクスにおける構造の一般的なアーキテクチャでは、多くの場合、接続トラックが接地面と呼ばれる導電面上に配置されます。
この近接した導電面に誘導される渦電流は、これらのトラックの部分インダクタンス(自己インダクタンスと相互インダクタンス)の値に影響を与えます。
この効果については、次のブロックに示す鏡像法で簡単に説明できます。
鏡像法: 基本
鏡像法は、完全な接地面が存在する場合に適用されます。
完全な接地面とは、無限に拡張される超電導平面(抵抗率がゼロ)*です。
完全な接地面からdの距離に配置された導体は、接地面がない状態で2dの距離で配置された2つの平行の同一導体と同じ準静磁界構造を生成します。
導体が接地面に平行である場合、実導体と鏡像導体には逆方向で同じ大きさの電流が含まれます(下図をご参照ください)。
* 実際には、接地面が回路の表面より大きければ十分です。
鏡像法: 実装
接地面が存在する状態では、鏡像導体を考慮するため、部分インダクタンスは等価部分インダクタンスに置換されます。
この技法は、各導体の端子電圧を再定義するものです。以降のブロックで例を示します。
接地面に平行な導体の部分インダクタンス
接地面に平行な導体の等価部分自己インダクタンスは次の式で表されます:
ここで:
- L1は、導体の自己インダクタンス
- M1iは、実導体とその鏡像導体間の相互インダクタンス
共に接地面に平行な2つの平行導体間の部分インダクタンス
共に接地面に平行な2つの平行導体間の等価部分相互インダクタンスは次の式で表されます:
ここで:
- M12は、この2つの導体間の相互インダクタンス
- M12iは、2つの導体の一方と、もう一方の鏡像間の相互インダクタンス
接地面に垂直な導体の部分インダクタンス
接地面に垂直な導体の等価部分自己インダクタンスは次の式で表されます:
ここで:
- L1は、導体の自己インダクタンス
- M1iは、実導体とその鏡像導体間の相互インダクタンス
共に接地面に垂直な2つの平行導体間の部分インダクタンス
共に接地面に垂直な2つの平行導体間の等価部分相互インダクタンスは次の式で表されます:
ここで:
- M12は、この2つの導体間の相互インダクタンス
- M12iは、2つの導体の一方と、もう一方の鏡像間の相互インダクタンス