OS-T:6060 ランダム応答疲労解析

非決定的荷重下の構造の疲労寿命の検討。

ランダム応答解析から得られるパワースペクトル密度(PSD)は、サイクル数対応力範囲の確率密度関数を生成するために使用されるモーメントの計算に使用されます。

本チュートリアルの実行には、optistruct.zipに含まれる下記のファイルが必要です。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。

CAD-box-SN.fem

または

本チュートリアルで使用されるモデルファイルのコピーは、<install_directory>/tutorials/hwsolvers/optistructで入手できます。

ランダム応答疲労解析の実行には、ランダム応答解析が行われたCADボックスが使用されます。このモデルのランダム応答解析は既にセットアップされており、SN-疲労計算用の追加の荷重ステップが本チュートリアルで作成されます。加振周波数はFREQ1カードによって定義され、Auto PSDとCross PSDを適用するためにRANDPSが使用されます。


図 1. 疲労解析のためのCADボックスモデル

HyperMeshの起動とOptiStructユーザープロファイルの設定

本演習に使用されるモデルは、図 1に示すようなシンプルなCADボックスのモデルです。4つの荷重ステップは既にこのモデル上で定義されており、それぞれNormal Modes Analysis(ノーマルモード解析)、両方の拘束ポイントにおけるFrequency Response(周波数応答)およびRandom Response Analysis(ランダム応答解析)を表します。

  1. HyperMeshを起動します。
    User Profilesダイアログが現れます。
  2. OptiStructを選択し、OKをクリックします。
    これで、ユーザープロファイルが読み込まれます。ユーザープロファイルには、適切なテンプレート、マクロメニュー、インポートリーダーが含まれており、OptiStructモデルの生成に関連したもののみにHyperMeshの機能を絞っています。

モデルの読み込み

  1. File > Import > Solver Deckをクリックします。
    Importタブがタブメニューに追加されます。
  2. File typeにOptiStructを選択します。
  3. Filesアイコンfiles_panelを選択します。
    Select OptiStruct Fileブラウザが開きます。
  4. 自身の作業ディレクトリに保存したCAD-box-SN.femファイルを選択します。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。
  5. Openをクリックします。
  6. Import、続いてCloseをクリックし、Importタブを閉じます。
    疲労解析のセットアップの大筋は、以下のステップで得られます。


    図 2. 疲労のセットアップ - ランダムSN損傷

モデルのセットアップ

FATLOAD荷重コレクターの定義

モデルには、RANDPSカードによって定義されたランダム応答荷重ステップが含まれます。RANDPSは、拘束された位置で適用される2つの入力PSD(AutoPSD_AとAutoPSD_B)およびそれらの間のクロスPSD(CrossPSD_AB)を含みます。

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. NameにFATLOAD_RANDOMと入力します。
  3. Card Imageに、FATLOADを選択します。
  4. LCID(荷重ケースID)に、荷重ステップのリストからRandom Responseを選択します。
    注: TABFATおよびスケーリングパラメータはこの計算には必要ありません。

FATEVNT荷重コレクターの定義

作成されたFATLOAD_RANDにランダム応答イベントを作成します。

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. NameにEVENT_RANDOMと入力します。
  3. Card Imageに、FATEVNTを選択します。
  4. FATEVNT_NUM_FLOADに1と入力します。
  5. Data欄の横のTableアイコンtable_pencilをクリックし、ポップアップウィンドウでFLOADにFATLOAD_RANDOMを選択します。

FATSEQ荷重コレクターの定義

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. NameにFATSEQと入力します。
  3. Card Imageに、FATSEQを選択します。
  4. FATSEQ_NUMに1と入力します(1つのFATEVENTが作成されているため)。
  5. FID(疲労イベント定義)にEVENT_RANDOM、また、1としてNを選択します。


    図 3. 作成されたRAND_EVENTを示すFATSEQ
    疲労解析のためのイベントのシーケンスの定義が完了しました。次に疲労パラメータが定義されます。

疲労パラメータの定義

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. NameにFat-Parameterと入力します。
  3. Card Imageに、FATPARMを選択します。
  4. TYPEがSNに設定されていることを確認します。
  5. COMBINEをABSMAXPRに設定します。
  6. UCORRECTをNONEに設定します。
  7. STRESSUをMPA (Stress Units)に設定します。
  8. CERTNTY SURVCERTを0.9に設定します。
  9. RNDPDFを次のように設定します:

    DM1 = DIRLINK

  10. RANDOMの下のRandomオプションにチェックマークを入れ、以下のオプションを編集します:

    FACSREND = 8.0(応力範囲(SREND)の上限を計算)

    NBIN = 100(確率を計算する応力範囲の範囲の幅( MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbwvMCKf MBHbqefqvATv2CG4uz3bIuV1wyUbqedmvETj2BSbqefm0B1jxALjhi ov2DaebbnrfifHhDYfgasaacH8srps0lbbf9q8WrFfeuY=Hhbbf9v8 qqaqFr0xc9pk0xbba9q8WqFfea0=yr0RYxir=Jbba9q8aq0=yq=He9 q8qqQ8frFve9Fve9Ff0dmeaacaGacmGadaWaaiqacaabaiaafaaake aacqGHciITaaa@3A3D@ S)を計算)



    図 4. 確率密度関数. (サイクル数対応力範囲の確率密度)

疲労材料特性の定義

疲労解析の材料カーブはMAT1カードで定義できます。

  1. Modelブラウザで、材料MAT1をクリックします。
    エンティティエディターが開きます。
  2. エンティティエディターで、MATFATをSNに設定します。
  3. UTS (ultimate tensile stress)を80.0に設定します。
  4. SNに以下を設定します(これらの値は材料のSN曲線より得られます):
    SRI1
    317.0
    B1
    -0.15
    NC1
    1e6
    SE
    0.279192629
    A/R
    A

PFAT荷重コレクターの定義

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. NameにSurface_Treatmentと入力します。
  3. Card Imageに、PFATを選択します。
  4. LAYER を WORSTに設定します。
  5. FINISHをNONEに設定します。
  6. TRTMENTをNONEに設定します。
  7. Kfを1.0に設定します。

FATDEF荷重コレクターの定義

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. NameにFat-definitionsと入力します。
  3. Card ImageをFATDEFに設定します。
  4. PTYPE エンティティエディターで、PTYPEおよびPSOLIDをアクティブにします。
  5. FATDEF_PSOLID_NUMIDSを1に編集します。
  6. Data欄の横のTableアイコンtable_pencilをクリックし、ポップアップウィンドウでPIDにBoxを、PFATIDにSurface Treatmentを選択します。
  7. Closeをクリックします。

疲労荷重ステップの定義

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Stepを選択します。
  2. NameにVibration_Fatigueと入力します。
  3. Analysis typeをfatigueに設定します。
  4. FATDEFにfatdefを選択します。
  5. FATPARMにfatparamを選択します。
  6. FATSEQにfatseqを選択します。

ジョブのサブミット

  1. AnalysisページからOptiStructパネルに入ります。
  2. input file欄に続くsave asをクリックします。
    Save Asダイアログが開きます。
  3. File nameに名称CAD_Box_Vibration_Fatigue.femを入力します。
  4. Saveをクリックします。
  5. OptiStructをクリックし、解析をサブミットします。

結果の確認

  1. OptiStructパネルから、HyperViewをクリックします。
    HyperViewが起動され、結果が読み込まれます。HyperViewにモデルと結果が正しく読み込まれたことを示すメッセージウィンドウが現われます。
  2. Resultsタブに移動します。
  3. Resultsタブで、サブケースフィールドからSubcase 5 (Vibration_Fatigue) を選択します。
  4. ResultsツールバーでresultsContour-16をクリックし、Contour panelを開きます。
  5. Result typeをDamageにセットし、Applyをクリックして要素コンターを表示させます。
    図 5. ダメージコンタープロット