チュートリアル:ベアリング長の最適化

ベアリングラインをグループ化することによってベアリングプロファイルを最適化する方法について学習します。

ベアリング長の最適化は、出口での押出プロファイルの速度を均一にするために実行されます。ベアリングの最適化の設定を行う前に、標準のモデル設定がすべて完了し、定常解析を実行する準備が整っている必要があります。

フローシミュレーション結果の確認

  1. チュートリアル:中空プロファイル押出のフローシミュレーション結果を確認します。
    Profile 2は均衡化されています。Profile 1は均衡化されていないため、押し出されたパートはたわみます。このチュートリアルでは、ベアリング長さの最適化に注目し、このプロファイルを修正します。




  2. 両方の出口での初期ベアリング長さを確認します。
    Exit 1には均一な流れを生じさせる適切なベアリングがないため、これに対して最適化を設定します。Exit 2のベアリング長はすでに適切であるため、この出口のベアリングラインはすべて固定のままとします。


ベアリングラインのグループ化についての検討

  1. モデルのダイス開口部を確認します。
  2. 壁のギャップ開口部をチェックします。
    ベアリングカーブでは、壁のギャップ開口部が同じであれば、ベアリング長さも同じにできます。これに基づいて、図のように制御ラインがグループ化されます。
    これが、ベアリング長さを同一とする場所を決定する第1段階の手法です。ベアリングラインのグループ化の次の段階は、ダイス開口の周囲にどのようにポケットが設計されているか、およびポートホールがどのように設計されているかによります。

ベアリングカーブの選択

このインターフェースの目的は、ベアリングラインを異なるグループに分類することです。グループ内のラインには、同じ初期ベアリング長が割り当てられ、同じように最適化されます。

  1. Bearing Optimizationアイコンをクリックします。

    Inspire Extrudeは、モデル内のすべてのコンポーネントを非表示にし、すべてのベアリングカーブを表示します。


  2. 最適化するベアリングカーブをクリックします。


    最初にこれを実行すると、すべてのカーブに対して垂直方向のベアリングラインが作成されます。これは1回のオペレーションです。必ずこのプロセスを終了させてください。
    選択されたカーブが、抽出された垂直方向のベアリングラインとともに表示されます。


  3. Modelブラウザで、自動的に作成されたこれらの垂直方向のベアリング制御ラインを選択します。
    最適化を設定しているのはBearingCurve_1で、このベアリングカーブの制御ラインはBearingControlLines_1コンポーネント内にあります。


  4. 右クリックして削除を選択します。


ベアリング制御ラインの追加

  1. モデルを最上位のビューに配置します。


  2. 新しいベアリングラインを追加するベアリングカーブの上にカーソルを移動し、クリックして追加します。


  3. 繰り返して、ベアリングカーブにベアリングラインを追加します。
    この例では、4つの角にそれぞれ2本ずつ、計8本のベアリングラインを追加しました。




ベアリングラインのグループ化

  1. Organize Bearing Linesウィンドウでグループ1を選択します。

  2. このグループに含めるベアリングラインを選択します。
    ここでは、ハイライトされているラインを選択しています。


  3. ベアリングゾーンの外をダブルクリックして、選択を確定します。
  4. をクリックして新しいグループを追加し、この新しいGroup 2に追加するラインを選択します。


  5. Group 3およびGroup 4に対してもこれを繰り返し、残りのベアリングラインを選択します。




  6. Escキーを押して、 Optimizationパネルを抜けます。
    フルモデルが表示されます。


次のベアリングカーブの選択

  1. Bearing Optimizationアイコンをクリックします。

    Inspire Extrudeは、モデル内のすべてのコンポーネントを非表示にし、すべてのベアリングカーブを表示します。
  2. 外側のベアリングカーブを選択します。


  3. Modelブラウザで、自動的に作成されたこれらの垂直方向のベアリング制御ラインを選択します。


  4. 右クリックして削除を選択します。


次のベアリング制御ラインの追加

  1. モデルを最上位のビューに配置します。


  2. ベアリングライン上にカーソルを移動し、クリックして表示されているラインを追加します。


次のベアリングラインのグループ化

ベアリングラインを選択し、これらをそれぞれのグループに編成します。
注: ラインを個別に選択することも、ラインのグループを囲むボックスを描くようにドラッグして選択することもできます。


BearingCurve_2の最適化

次のベアリングはすでに最適化されているため、これらのベアリングラインすべてをFixedとしてグループ化します。


  1. 外側のベアリングカーブを選択します。


  2. Fixedグループをクリックします。

  3. 画面上のすべてのベアリングラインを選択します。


  4. 何もない領域をクリックして、選択を確定します。


BearingCurve_3の最適化

引き続き、最適化されたすべてのベアリングラインをFixedとしてグループ化します。

  1. 内側のベアリングカーブを選択します。


  2. Fixedグループをクリックします。
  3. 画面上のすべてのベアリングラインを選択します。


  4. Escキーを押して、Optimization Panelを抜けます。
    フルモデルが表示されます。


材料の選択

  1. 材料アイコンをクリックします。


  2. Aluminum_Alloys > 6000_Series > AA6063の順に対象加工物の合金を選択します。


    注:

    検索ボックスをクリックするか、合金の名前を入力することにより、直接材料を検索できます。

  3. 合金名を右クリックし、Selectをクリックします。


    選択した合金がSelected Materialsペインに追加されます。


    注: この材料を選択解除するには、右クリックして選択解除をクリックします。
  4. OKをクリックしてMaterial Databaseを閉じます。
  5. ファイル > 名前をつけて保存をクリックして、目的の場所にモデルを保存します。
    注: 古い / 既存のモデルファイルとの競合を避けるため、モデルファイルは常に新しく作成したフォルダに保存することをお勧めします。

処理パラメータの指定とシミュレート

  1. Submit job for analysisアイコンをクリックして、シミュレーションを実行します。


  2. 表示されるAnalysis Parametersウィンドウで、以下に示すように値を入力します。
    注: ベアリング最適化チェックボックスが表示されます。このチェックエントリは、モデルに最適化データが定義されている場合にのみ表示されます。
    注: ベアリングの最適化および非定常解析では、Non Linear Iteration Toleranceを0.01に設定します。定常解析では0.001に設定します。


  3. 実行 ボタンをクリックします。
実行が正常に開始されると、シミュレーションのステータスをモニターできるようになります。
ジョブのサブミット後のステータス


メッシング完了後のステータス


ソルバーでジョブが実行されているときのステータス


シミュレーション結果の表示

シミュレーション結果を確認します。


図 1. ベアリングの最適化 - 0回目の反復


図 2. ベアリングの最適化 - 3回目の反復


注: 差異は5%未満です。
図 3. ベアリングの最適化 - 9回目の反復(最適化完了)