チュートリアル:ツールたわみ解析

ツールたわみ解析を実行して、押出プロセスでツールがどこでどのように変形するのかを特定し、ダイス設計者がツールコンポーネント内で適宜修正できるようにします。

ツールたわみ解析を使用して、押出プロセスでツールがどこでどのように変形するのかを特定し、ダイス設計者がツールコンポーネント内で適宜修正できるようにします。

Inspire Extrudeは、ツールたわみ解析を実行する3つの異なる方法を提供します。
  • 流れ、熱および応力の連成解析を使用する
  • ツールメッシュ、材料データ、および境界条件を含む.femファイルを記述し、これを応力解析のためにOptiStructソルバーにサブミットする
  • Inspire Extrudeでツールたわみ解析ウィザード を使用する

ツールたわみ解析ウィザード には、いくつかの利点があります。流れ解析およびツールたわみ解析は別々に実行でき、これにより、問題が大きくなりすぎる前にこれを回避できます。解析は数ステップで設定できます。

ツールたわみ解析を実行するには、次のいずれかの方法でユーザーが荷重を指定する必要があります。
  • サーフェス上で想定される温度と圧力 / 力の形式で指定
    注: 圧力の想定荷重は一定であっても、押出方向に沿って線形に変化してもかまいません。
  • 流れ解析の実行時にHyperXtrudeによって書き込まれる.hmasciiファイルの荷重をマッピングすることで指定

対象加工物コンポーネントの削除

このモデルには、フィーダープレートとダイスプレートの2つのツールコンポーネントに加え、ツールたわみ解析には必要ない対象加工物コンポーネントが含まれています。これらのコンポーネントは、先に進む前に削除する必要があります。

  1. ビュー > モデルブラウザをクリックするか、F2を押して、Modelブラウザを開きます。
  2. オブジェクトを選択し、右クリックして削除を選択することにより、モデルからBilletを除くフロー領域のコンポーネントを削除します。




ツールコンポーネントの編成

このモデルはフィーダープレートとダイスプレートの2つのツールコンポーネントで構成されており、これらを編成する必要があります。

  1. Tool Deflectionリボンをクリックします。
  2. フィーダープレートソリッドを右クリックし、 オーガナイズ > FeederPlateの順に選択します。


  3. ダイスプレートソリッドを右クリックし、 オーガナイズ > Dieの順に選択します。




形状の簡略化

解析を実行する前に、簡略化ツールを使用して、形状内の問題領域をクリーンアップできます。これを使用して、モデル内の余分なライン、サーフェス、およびその他のコンポーネントを削除し、計装などに使用される穴など、不要なフィーチャーを削除します。これによりメッシングが簡略化され、メッシュ数を削減します。

  1. 形状 リボンをクリックします。
  2. 簡略化アイコンをクリックします。

  3. アイコンをクリックします。

    一度に1つずつ穴を埋めるか、特定のサイズより小さい穴を検出することで、不適切な領域を埋めないようにすることができます。10mm未満の穴を検出するには、検索オプションをクリックし、最小サイズ 10mmに設定します。このモデルでは、不要な穴が8個あります。


    ツールは自動的に形状を調べ、モデル内のすべての穴を検出します。これにはフロー領域の空孔も含まれます。
  4. 削除する孔がハイライトされたら、削除 をクリックして穴を埋めます。


荷重面の作成

材料がツール形状に接触する荷重面を作成します。

ダイス内を流れる加工対象物の材料により、ツールサーフェス、および加工対象物とツールボディ間で共通のフェイスに荷重がかかります。これらの面は荷重面と呼ばれます。ピンホールやリリーフ領域などのサーフェスは、加工対象物に接触しないため、荷重面には含めません。

  1. 荷重面アイコンをクリックします。

  2. Ctrlを押してドラッグし、ボックスを描いて流動材料に接触しないサーフェスグループを選択解除します。






  3. 他のサーフェスについてもこれを繰り返します。
    注: 加工対象物と接触しているサーフェスのみが選択されたままとなるようにしてください。


  4. チェックマークを右クリックして、マウスで移動して終了するか、または右ダブルクリックします。

拘束の作成

BCSツールを使用して、適切なサーフェスに手動で拘束を作成します。

  1. BCSアイコンをクリックします。

  2. 拘束するサーフェスを選択します。


  3. 指定したい、拘束を与えるすべてのサーフェスに対して、このプロセスを繰り返します。


材料の選択

  1. 材料アイコンをクリックします。


  2. Tool_Material > Tool_Steel > H_13の順にツール合金を選択します。


  3. OKをクリックしてMaterial Databaseを閉じます。
  4. ファイル > 名前をつけて保存をクリックして、目的の場所にモデルを保存します。
    注: 古い / 既存のモデルファイルとの競合を避けるため、モデルファイルは常に新しく作成したフォルダに保存することをお勧めします。

処理パラメータの指定とシミュレート

  1. Submit job for analysisアイコンをクリックして、シミュレーションを実行します。


  2. 表示されるAnalysis Parametersウィンドウで、以下に示すように値を入力します。
    注: Pressure Typeの下のMappedを選択し、 tutorial フォルダーから*.hmasciiファイルを選択します。このファイルには、流体解析からの圧力と温度荷重情報が入っています。


  3. 実行 ボタンをクリックします。
実行が正常に開始されると、シミュレーションのステータスをモニターできるようになります。
ジョブのサブミット後のステータス


メッシング完了後のステータス


ソルバーでジョブが実行されているときのステータス


シミュレーション結果の表示

解析エクスプローラでシミュレーション結果を確認します。