Stress Linearization

石油、ガスおよび造船業界で広範に渡って使用される手法である応力の線形補間は、圧力容器などの構造内の応力を解析するために使用されます。



図 1.
断面にわたる応力は、平均膜、線形曲げおよびピーク応力に分類されます。パスまたは応力分類線(SCL)はモデル内の各種断面で定義されます。このラインを等しいセグメントに分割するポイントの数が指定されます。計算は以下のように行われます:
  1. 応力は、ラインに沿ったすべてのポイントにおいて局所座標系での補間により抽出されます。局所座標系は、パスの開始節点と終了節点に基づきます。詳細については、追加の注記をご参照ください。
  2. 手順1.で抽出された応力値から、開始節点と終了節点における平均膜応力テンソルと曲げ応力テンソルが数値積分法を使って計算されます。

    = 膜応力のi 番目の成分

    = 抽出された応力値のi 番目の成分

    = 開始節点におけるi 番目の曲げ応力

    = 終了節点におけるi 番目の曲げ応力

    L = パスのラインの長さ

    x はラインに沿ったポイントの位置を表します。

  3. ピーク応力および膜 + 曲げ応力も、開始節点と終了節点において計算されます。

    = 開始節点におけるi 番目のピーク応力

    = 開始節点におけるi 番目のピーク応力

  4. 最後に、膜、膜 + 曲げ応力およびピーク応力が計算されます。

一度に1つまたは複数のパスについて計算を行うことが可能です。結果は、HyperGraphプロットとして表示、もしくはカンマ区切り値(*.csv)ファイルにエクスポートすることができます。

ResultsツールバーのStress-Linearization をクリックします。
注: ResultsメニューからPlot > Linearizationを選択することもできます。
QueryツールからLinearizeツールをクリックします。


図 2.


図 3.

Extract-Linearizeツールは、それぞれこのツールを使用する処理順に対応した下記の3つのセクションに分かれており、タブ領域に表示されます。

Path definition

パスの定義を作成、管理することができます。パスは、ラインを追加し、開始節点と終了節点をピックすることにより生成できます。

ポイントの数やカラーといったライン特性も、ラインが定義された後に設定することが可能です。Reviewオプションは、ラインをモデリングウィンドウで確認するために用意されています。

Pathテーブル / リストによって、所与の荷重ケース / シミュレーションステップにおいて計算が実行されるパスを指定します。パスは、リストに追加、またはリストから削除することが可能です。各列のヘディングをクリックすることで、テーブル / リストをソート(並び替え)することができます。列の見出しを繰り返しクリックすると、昇順と降順が切り替わります。さらに、リスト内のアイテムについて、キーボードショートカットとコンテキストメニューが使用可能です。
注: テーブル / リストで標準のCTRL/SHIFT+クリック機能を使うことによって、複数のパスを選択することができます。
ヒント: Pathテーブル / リスト内のパスを素早く選択 / 選択解除するには、AllNoneReverseボタンを使用します。

Calculation

応力の線形化の計算に使用される結果タイプを選択します。結果ファイルからベース応力テンソル結果をピックするか、表示されているコンターを使用します。

Plot

計算からどの応力成分を別々のHyperGraphウィンドウにプロットするかを設定します。プロットウィンドウのレイアウトも設定できます。さらに、計算をカンマ区切りファイル(.csv)としてエクスポートするオプションも用意されています。

コメント

  • 応力の線形化はソリッド要素についてのみサポートされており、ファイルにはそれら要素の応力テンソル結果が含まれていなくてはなりません。
  • 応力線形化の計算は、Applyボタンがクリックされたシミュレーションステップで実行されます。したがって、パスが別のステップで定義されていたとしても、適用時には、現在のステップにおける開始節点と終了節点の位置毎に更新されます。
  • 一部のポイントがモデルまたはソリッド要素上にない場合は、計算は実行されません。"Please re-define lines 1 2 3 as some points lie outside the model or some points lie on non-3D elements"というメッセージダイアログが表示され、ラインを再定義する必要があります。
  • 応力は、ライン定義に基づき局所座標系でレポートされます。系のX軸は、N1からN2へのライン方向にあります。ほかの2つの軸は次のように計算されます:
    • 局所X軸が全体Y軸と平行でない場合:

      Zlocal = Xlocal x Yglobal

      Ylocal = Zlocal x Xlocal

    • 局所X軸が全体Y軸と平行である場合:

      局所Xが正の全体Y上にある場合、局所Y軸(Ylocal)は負の全体Xであり、局所Xが負の全体Y上にある場合、局所Y軸(Ylocal)は正の全体X。局所Xが正の全体Y上にある場合、局所Y軸(Ylocal)は負の全体Xであり、局所Xが負の全体Y上にある場合、局所Y軸(Ylocal)は正の全体X。

      Zlocal = Xlocal x Ylocal

  • HyperGraphプロットおよびそれが生成されるHyperViewウィンドウとの間にライブリンクはありません。
  • 各ラインについてのレポートは自動的に.csvファイルに付加されます。