有限要素計算、近似関数

概要

ここでは、磁気アプリケーションにおける、自動選択される定式化の有限要素計算での近似関数について説明します(磁気スカラーポテンシャルおよび電気ベクトルポテンシャル):
  • 近似関数の次数: 1次 / 2次
  • 近似関数のタイプ: エッジ / 節点

要素の次数と近似関数

Fluxの提供内容は次のとおりです:
  • 異なるタイプの有限要素メッシュ:1次メッシュまたは2次メッシュ
  • 異なるタイプの近似関数: 線形(1次)関数または2次関数
近似関数の次数は、デフォルトで、次の表に示すようにメッシュ次数と関連付けられています。
メッシュ 節点の位置 近似関数
1次 頂点 線形(1次多項式)
2次 頂点+エッジの中央 2次(2次多項式)
Fluxでは、近似関数の次数とメッシュ次数を分離します。したがって、ユーザーは、1次メッシュを2次の近似関数と組み合わせたり、その逆の組み合わせにしたりすることができます*。
注: * 1次メッシュと2次の近似関数の組み合わせを選択した場合、このソフトウェアは自動的に2次メッシュ(2次の近似関数による計算で必要)を適用します。

節点またはエッジの近似関数

Fluxの提供内容は次のとおりです:

  • エッジ近似関数(有限要素のエッジ上での計算、およびエッジの中央節点での情報の保存)
  • 節点近似関数(有限要素の節点での計算)

エッジ関数は、電気ベクトルポテンシャルTについてのみ提供されます。磁気スカラーポテンシャルΦの近似関数は節点タイプの関数です。

したがって、エッジ関数の使用は、ソリッド導体タイプの領域(Transient MagneticおよびSteady state AC Magneticアプリケーション)に適用されます。

注意

次の条件の下ではエッジの定式化は必須です(これがなければ結果は正しく生成されません)。
  • ソリッド導体
  • デバイスのエッジに接する誘導電流の存在。これらのエッジは、デバイスの内角のエッジです。
これらの条件を以下の図に示します。

例: 亀裂が存在する薄板タイプのソリッド導体内の渦電流の計算。

デフォルトの選択肢の変更

ユーザーは近似関数の次数やタイプを変更する必要はありません。ほとんどの状況にデフォルトの選択肢が適合します。ただし、特別の条件では、これらの選択肢を変更することができます。

したがって、2つの操作モードを以降の項で説明します:
  • 自動モード: デフォルトの選択肢
  • 手動モード: ユーザーの選択肢

自動モード

自動モードでは、節点近似関数の次数はメッシュの次数に従います:
  • メッシュが1次のメッシュの場合、節点近似関数は1次となります。
  • メッシュが2次のメッシュの場合、節点近似関数は2次となります。

ソリッド導体タイプの領域がある場合(電気ベクトルポテンシャルでの定式化)、近似関数は2次メッシュを必要とするエッジ関数となります。2次メッシュの生成は、自動的に行われます。

したがって計算は、以下の条件下で行われます。
  • 磁気スカラーポテンシャル: 節点近似関数(2次)
  • 電気ベクトルポテンシャル: エッジ近似関数

手動モード

手動モードでは、ユーザーが近似関数の次数(1次 / 2次)およびタイプ(電気ベクトルポテンシャルの場合、節点タイプ / エッジタイプ)を変更できます。これらの変更は、下の図に示すようにアプリケーション定義のダイアログボックスで実行されます。

アドバイス

大規模プロジェクトでは、解析プロセスでメモリが十分でない場合、ベクトル変数の近似次数として1次を選択することで、メモリを削減することができます。これにより、多少結果の精度が低下するものの、解析時間とメモリが節約できます。