マルチフィジックス連成シミュレーション: 定義
概要
一般的に、連成という語が使用されるのは、特定のデバイスについて、いくつかの物理現象(電気、磁気、熱、機械など)を検証する場合です。
各現象は、方程式(マクスウェル方程式、フーリエ方程式、回路方程式、機械的方程式など)によって表現されます。したがって、連成では複雑な連立方程式を解く必要があります。
強い連成 / 弱い連成: 定義
連成は次のように定義できます:
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strong coupling: 2つの連立方程式を同時に解くプロセスを実行します。たとえば、磁界と回路との連成では、磁界の方程式と回路の方程式を同時に解きます。
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weak coupling: ある系から他の系へのデータ転送を適用し、2つの連立方程式をそれぞれ独立して解きます。たとえば、運動連成では、磁界の方程式と機械的方程式を各時間ステップで連続的に解きます。
強い連成は内部的にのみ実行できます(ソフトウェア内部での実行)。弱い連成は、内部的に実現できるほか(ソフトウェア内部での実行)、他の複数のソフトウェアと関連付けて実行することもできます(組み合わせ実行)。
Fluxに用意されている連成
Fluxには次の連成が用意されています:
- 回路連成(強い連成)
- 運動連成(弱い連成)
これらの連成はすべて、Fluxモジュール(ソフトウェアに用意されている機能)の形態で組み込まれ、その形態で使用できます。
連成シミュレーション
他のソフトウェアとの連成を実行するために、外部データ交換を可能にする新たな機能が提供されています。
その機能がマルチフィジックス連成シミュレーションです。
例
Fluxと連成できるソフトウェアの例を以下に挙げます:
- FLUENT: 流動の数値シミュレーション(計算流体力学:CFD)を実行するソフトウェア
- EMTP: 電気回路における過渡電磁現象のシミュレーションを実行するソフトウェア
- MpCCI: さまざまなシミュレーションコードを連成するソフトウェア
- Flux: 磁気-熱連成シミュレーションなどに適用