2Dの例:マルチフィジックス連成による誘導加熱のチュートリアル

前書き

このパラグラフは、2Dの例:“マルチフィジックス連成による誘導加熱のチュートリアル”で詳細に取り上げているケースの要約です。

このスタディ対象ケースに関連するファイルには、supervisorのOpen exampleコンテキストでアクセスできます。

調査対象デバイス

解析対象デバイスは、誘導電流のジュール効果によって加熱される円筒形ビレットです。

下の図に示すスタディ対象デバイスは、以下の要素で構成されています:

  • 円筒形ビレット
  • 巻数6のコイル
  • 磁心

動作原理

25µFのコンデンサを並列接続した、巻数が6の直列接続コイルに120Vの交流電圧を印加します。

ビレット内部の温度分布と温度変化を調べます。

材料

このデバイスは以下の材料で構成されています:

  • フェライト - 磁心材料
  • 鋼 - ビレットの材料
  • 銅 - 巻数6のコイルの材料

熱源

熱源は、ビレットで発生するジュール損失です。

処理例

次の4つのケースを示します:

  • ケース1: ビレット内部の電磁界と誘導電力密度の計算、および周波数と電圧をパラメータとするパラメトリック解析。ビレット領域と磁心領域は磁気的に非線形です。Steady state AC magnetic 2Dアプリケーションを使用してシミュレーションを実行します。
  • ケース2: ビレットの加熱を開始したときに、MagneticアプリケーションとTransient Thermalアプリケーションとの間で実行する1回の解析シーケンスと、加熱時間の予備評価。ビレット領域と磁心領域は磁気的に非線形です。どの材料特性にも温度依存性はありません。Steady state AC magnetic 2DアプリケーションとTransient Thermalアプリケーションを使用してシミュレーションを実行します。
  • ケース3: 加熱プロセス中のMagneticアプリケーションとTransient Thermalアプリケーション間のマルチフィジックス連成。ビレット領域と磁心領域は磁気的に非線形です。すべての材料特性に温度依存性があります。Steady state AC magnetic 2DアプリケーションとTransient Thermalアプリケーションを使用してシミュレーションを実行します。
  • ケース4: 加熱プロセス中のMagneticアプリケーションとTransient Thermalアプリケーション間のマルチフィジックス連成と、表面の硬化を目的としたビレットの急冷。ビレット領域と磁心領域は磁気的に非線形です。すべての材料特性に温度依存性があります。Steady state AC magnetic 2DアプリケーションとTransient Thermalアプリケーションを使用してシミュレーションを実行します。

ケース2

物理現象は互いに依存しないと見なされます。温度変化に伴うビレットの電気抵抗率と透磁率の変化は考慮されません。

ケース3とケース4

物理現象は互いに依存すると見なされます。熱の変化に伴うビレットの電気抵抗率と透磁率の変化が考慮されます。