エネルギー交換: 符号規約

概要

エネルギーバランスを計算するには、解析対象のシステムと外部とのエネルギー交換に適用する符号規約を規定する必要があります。

熱力学規約

システムと外部とのエネルギー交換(機械的作用、熱、電気エネルギー、機械エネルギーなど)*の熱力学で使用する規約を下の表に示します。

システムが受け取るエネルギーが0より大きいと見なす システムが放出するエネルギーが0より小さいと見なす
注: *電力についても、次のように同じ規約が存在します。
  • システムが消費する電力は、対象とする期間にシステムに入力したエネルギーに相当する場合に正と見なされます。
  • システムが供給する電力は、対象とする期間にシステムから出力されたエネルギーに相当する場合に負と見なされます。

電気規約(双極子)

2つの端子(双極子)を備えた電気システムの場合は、レシーバー側規約とジェネレーター側規約の2つの符号規約があります。この2つの規約の詳細を下の表に示します。

レシーバー側規約: ジェネレーター側規約:
  • 電力UIが0より大きい場合は、システムが2つの端子間でエネルギーを受け取る

  • 電力UIが0より小さい場合は、システムが2つの端子間でエネルギーを供給する
  • 電力UIが0より大きい場合は、システムが2つの端子間でエネルギーを供給する

  • 電力UIが0より小さい場合は、システムが2つの端子間でエネルギーを受け取る

システムが1つの電気コンポーネントのみで構成されている場合は、“レシーバー側規約”に熱力学規約との互換性があるので、その規約が採用されることがわかります。この規約は、Fluxですべてのコンポーネントに採用されています。このようなコンポーネントには、抵抗、インダクタ、コンデンサなどの受動コンポーネント、電力源と電圧源、有限要素ドメインの領域に関連付けられたコンポーネント(より線導体タイプまたはソリッド導体タイプ)も含まれます。