エネルギーと電力(磁気システム)
概要
本項では、磁気システムの蓄積エネルギーと散逸電力について説明します。
電磁エネルギー: 定義(IEC)
電磁エネルギーは、電磁界の存在に伴うエネルギーです。
註:線形媒質では、次のように体積積分によって電磁エネルギーを求めることができます。
ここで、E、D、H、およびBは、電磁界を決める4つのベクトル量です。
ポインティングベクトルからの開始
電磁エネルギーは、ポインティングベクトルで定義すると便利です。
マクスウェル方程式によるベクトル解析から次の関係が得られます。
- 第1項は磁気エネルギーとして蓄積されるエネルギーを表します
- 第2項はジュール効果によって散逸するエネルギーを表します
- 第3項は電気エネルギーとして蓄積されるエネルギーを表します
蓄積される磁気エネルギー
領域に磁界を形成するには、磁気エネルギーとして蓄積される何らかのエネルギーを供給する必要があります。
蓄積された磁気エネルギーの体積密度は、ベクトル量であるBとHによる次の関係式で表現できます。
線形の均質な等方性領域では、この関係を次のように記述できます。
散逸電力 / ジュール効果による電力損失
散逸電力の体積密度(またはジュール効果による電力損失の体積密度)は、EとJを使用した関係式で表現できます。
線形で均質な等方性領域では、この関係はとなります。