SimSolidでは、SN(応力-寿命)法およびEN(ひずみ-寿命)法を使用した単軸疲労解析と多軸疲労解析がサポートされています。
単軸荷重が存在するモデルは一方向のみの荷重で構成され、1つの主応力のみを発生します。SimSolidによる単軸疲労解析では、ユーザーが定義した応力(符号付きフォンミーゼス応力、最大主応力、絶対最大主応力、符号付き最大せん断応力、臨界平面応力)の組み合わせを使用して、応力テンソルがスカラー値に変換されます。
臨界平面応力の場合は、各平面で解析された公称応力が次のように計算されます。
(1)
SimSolidでは、次の式を使用して等価なθに変換された平面の数が入力として要求されます。
(2)
多軸疲労解析の場合、SimSolidでは応力テンソルを直接使用して損傷が計算されます。多軸疲労解析の理論では、応力が平面応力の状態にあると仮定します。
SimSolidによる多軸疲労解析では、引張亀裂損傷モデルとせん断亀裂損傷モデルを使用して損傷を評価することにより、損傷が最も激しい平面が必ず検索されます。検索の最後で、損傷が最も激しい平面での損傷がSimSolidから報告され、この平面が臨界平面になります。
臨界平面法
臨界平面である特定の平面で亀裂が発生し、成長することが実験的に示されています。臨界平面法では、その損傷評価プロセスで損傷の物理的特質を把握します。
材料の状態と応力の状態に応じて、最大せん断応力平面または最大引張応力平面のいずれかが臨界平面になります。したがって、多軸荷重による損傷を評価するには、2つの独立した損傷モデルが必要です。その1つは、せん断に起因する亀裂成長のモデルで、もう1つは引張に起因する亀裂成長のモデルです。
臨界平面法では、任意の損傷モデルを使用できます。その損傷モデルでは、損傷が最も激しい平面を検索する必要があります。考えられる損傷(破壊)モードには2種類があります。1つは引張による亀裂成長で、フリーサーフェスと直交する平面で発生します。角度θは、サーフェス上で確認された亀裂がσx方向に対して成す角度です。もう1つの破壊系は、せん断による亀裂成長で、サーフェスに対して45°を成す平面で発生します。この平面では、平面内せん断応力と平面外せん断応力の両方が考慮されます。θは、サーフェス上で任意の値を取ることができます。せん断応力τAは平面内せん断応力であり、サーフェス上で微小亀裂が成長する原因になります。最大平面外せん断応力τBは、フリーサーフェスに対して45°を成す平面上で発生し、サーフェスに向かって微小亀裂が成長する原因になります。