AutoReboundStop

AutoReboundStopエンティティは、リバウンド(ドロープとも呼びます)でのサスペンションのストロークを制限します。2つのボディ間の距離が遠くなると、AutoReboundStopによってこれらのボディを引き合わせる力が作用します。

AutoReboundStopのフォースとたわみとの関係を記述したテーブルは、ADAMS/Car™互換プロパティファイルに保存されています。AutoReboundStopプロパティファイルを選択して、AutoReboundStopのプロパティを決定します。MotionViewのインストール環境の次の場所にプロパティファイルの例が用意されています。

$(ALTAIR_HOME)\hw\mdl\autoentities\properties\Bumpers-Rebound

AutoReboundStopフォース

AutoReboundStopフォースは、線形タイプの場合もあれば非線形タイプの場合もありますが、プロパティファイルのフォースとたわみのテーブルから計算できます。フォースには2つの成分が含まれます:
  • 弾性力または剛性
  • 粘性力または減衰

線形AutoReboundStopの場合は、3次多項式を使用して弾性力成分を計算し、非線形AutoReboundStopの場合は、Akima法を使用して弾性力成分を補間計算します。

粘性力成分は任意であり、プロパティファイルに定義されている場合は、プロパティファイル内の減衰率と2つのボディ間で得られる瞬間速度から直接計算されます。

導入手法

AutoReboundStopの導入手法は設計位置にあり、AutoReboundStopフォースが作用し始める距離を決定するために使用します。

次の2つの導入手法を使用できます。
Impact Length手法
影響距離の値が‘L’の場合、AutoReboundStopフォースは2つのボディ間の距離が‘L’未満になると作用します。
Impact Length導入手法を使用している場合は、その値がソルバーで直接使用され、2つのボディ間のAutoReboundStopフォースがアクティブになります。Impact Lengthが最初の距離dLより短いときは、AutoReboundStopフォースが直ちに作用し始めることに留意する必要があります。


図 1. Impact Length手法
Clearance手法
Clearance手法を使用する場合、影響距離は次を使用して計算されます:(1) D = d L c l e a r a n c e v a l u e
ここで、(2) d L = ( ( X p o i n t 2 X p o i n t 1 ) 2 + ( Y p o i n t 2 Y p o i n t 1 ) 2 + ( Z p o i n t 2 Z p o i n t 1 ) 2 )
2つのボディ間の距離が‘D’未満になると、AutoReboundStopフォースがアクティブになります。
クリアランス値を指定すると、次の式を使用して影響距離が計算されます。(3) D = d L + c l e a r a n c e v a l u e
ここで、(4) d L = ( ( X p o i n t 2 X p o i n t 1 ) 2 + ( Y p o i n t 2 Y p o i n t 1 ) 2 + ( Z p o i n t 2 Z p o i n t 1 ) 2 )


図 2.

AutoReboundStopの結合

結合は、ReboundStopのフォースが作用する2つのボディを定義して、影響距離の計算に使用する2つのポイントを選択します。ReboundStopフォースは、Body 1とBody 2の間で作用します。最初の距離は、Point 1とPoint 2の間で計測されます。

2つのボディ間の距離が特定の値を超過すると、ReboundStopフォースがアクティブになります。ReboundStopフォースが作用し始める距離は、インストール手法に基づいて計算されます。

  1. Connectivityタブで、結合する1番目のボディを選択します。
    • Body 1をクリックして、モデリングウィンドウからボディを選択します。
    • Body 1をダブルクリックして、ダイアログから目的のボディを選択します。
  2. 同様にBody 2入力コレクターをクリックして、結合する2番目のボディを選択します。
  3. 1番目のポイントを選択します。
  4. 同様に、2番目のポイントを選択します。
  5. オプション: Outputボックスをオンにして、ReboundStopによって発生する変位、速度、およびフォースに対する出力リクエストを追加します。これらの出力はIマーカーとJマーカーの間で計測されます。

AutoReboundStopの出力チャンネル

Outputチェックボックスを選択すると、AutoReboundStopによって発生する変位、速度、およびフォースに対する出力リクエストが追加されます。これらの出力はIマーカーとJマーカーの間で計測されます。

MotionSolve.mrfファイルに記述される出力チャンネルの概要を以下に示します。
表 1.
タイプ コンポーネント
REQSUB RESULT(2) ReboundStopのIマーカーとJマーカーの距離
  RESULT(3) IマーカーとJマーカーの間の変位の変化率
  RESULT(4) ReboundStopフォース
  RESULT(6) ReboundStopの全体座標系X方向余弦
  RESULT(7) ReboundStopの全体座標系Y方向余弦
  RESULT(8) ReboundStopの全体座標系Z方向余弦

AutoReboundStopプロパティファイル

AutoReboundStopプロパティは、AutoReboundStopプロパティファイルテキストファイルに保存されます。プロパティファイルの欄をAutoReboundStopプロパティファイルとして、モデルをソルバーに送信すると、シミュレーションに使用するAutoReboundStopプロパティファイルがソルバーによって読み取られます。プロパティファイルの単位がモデルの単位と異なる場合、ソルバーによってAutoReboundStopプロパティが内部的にモデルの単位に変換されます。プロパティファイルは変更されません。

AutoReboundStopプロパティファイルには、ヘッダー、単位、およびカーブのブロックが記述されています。単位ブロックは、ファイルで使用される長さ、質量、フォース、時間、角度の単位を指定します。カーブブロックは、弾性力成分のフォース値に対する変位値の表を保持します。

AutoReboundStopプロパティファイルのサンプルを以下に示します。
$--------------------------------------------------------------------HEADER
[HEADER]
 FILE_TYPE     =  'reb'
 FILE_VERSION  =  4.0
 FILE_FORMAT   =  'ASCII'$
---------------------------------------------------------------------UNITS
[UNITS]
LENGTH =  'mm'
ANGLE  =  'degrees'
FORCE  =  'newton'
MASS   =  'kg'
TIME   =  'second'
$---------------------------------------------------------------------CURVE
[CURVE]
{ disp    force}
0.0   0.0
2.0   1.0
4.0   2.0
6.0   3.0
8.0   4.0
10.0   5.0
20.0   6.0
30.0   7.0
40.0   8.0
50.0   9.0