要素力(テンソルプロット)

2D要素力と2D要素モーメントはテンソルとしてサポートされ、HyperViewのTensorパネルを使用してプロットできます。

この機能は、.op2ファイルでのみ使用できます。要素力と要素モーメントのデータは、ケースコントロールコマンドのELFORCEまたはFORCEを使用して要求します。

要素X軸

要素力と要素モーメントを感覚的に正しい方向で可視化するには、まず、要素X軸を特定する必要があります。2D要素の要素X軸の定義方法については、RadiossMotionSolve、およびOptiStructの各ガイドのCQUAD4/CTRIA3に関するドキュメントをご参照ください。

HyperViewで要素X軸を可視化するには、Advanced Result-Mathテンプレートを使用してモデルファイルと結果ファイルを読み込みます。



図 1.

結果を読み込むと、Derived Resultsアイコンを使用してExpression Builderを起動できます。Expression Builderでは、モデルまたは結果固有のデータタイプを定義できます。

Expression Builderは、ユーザー定義のデータタイプの式をHyperViewで直接作成できるようにするグラフィカルユーザーインターフェースです。これらの式には、簡易化されたTemplexスタイルのシンタックスが使用されます。このシンタックスはXMLステートメントに解析され、式はResult Mathでの処理に渡されます。

要素X軸ベクトルをデータタイプのリストに追加するには、Model OperatorからElementAxisVectorをダブルクリックします。プロット中のこの式を他のベクトルデータタイプと区別できるように、どのような式であるかがわかるようなラベルを割り当てます。



図 2.

各2D要素X軸のベクトルプロットを以下に示します。



図 3.

要素X軸ベクトルプロットを力またはモーメントのテンソルプロット上に重ねて表示している場合は、X軸とY軸の正負方向とXYの値がわかりやすく表示されます。

Forces

下の図は、2D要素での要素力の正の方向を示しています。
  • FxとFyは、この2D要素のxフェイスとyフェイスに対する垂直力で、HyperViewのテンソルプロットのRegular描画モードではXX成分とYY成分で表されます。
  • Fxyは、面内せん断力で、HyperViewのテンソルプロットのRegular描画モードではXY成分で表されます。
  • VxとVyは、下の2D要素のxフェイスとyフェイスに対する横せん断力で、HyperViewのテンソルプロットのRegular描画モードではZX成分とYZ成分で表されます。


図 4.


図 5.

Moments

下の図は、2D要素での要素モーメントの正の方向を示しています。
  • MxとMyは、この2D要素のxフェイスとyフェイスに対する曲げモーメントで、HyperViewのテンソルプロットのMoment描画モードではXX成分とYY成分で表されます。
  • Mxyは、ねじりモーメントで、HyperViewのテンソルプロットのMoment描画モードではXY成分で表されます。


図 6.
図 7.


Tensorパネルを使用した要素力と要素モーメントのプロッティング

Tensorパネルには複数のオプションがあります。このパネルは要素力と要素モーメントのプロットでのみ使用されるわけではないので、力とモーメントのプロッティングでの使用を意図していないオプションもあります。
Resolved in
要素力と要素モーメントは、.op2ファイルに必ず要素座標系で書き込まれます。2D要素上で定義した材料座標系が存在し、PARAM, OMIDを使用している場合は、これらの力とモーメントを変換して要素座標系で書き込むことができますが、出力はASCIIのみとなります。
これで、要素力と要素モーメントがテンソルとしてHyperViewに読み込まれるので、それらを要素座標系から他の任意の座標系に変換できます(HyperViewで作業中に作成した座標系にも変換できます)。


図 8.
Tensor Format
Tensor formatはComponentに設定する必要があります。それにより、任意またはすべてのフルテンソル成分をプロットできます。Tensor formatのPrincipalは、応力テンソルのプロッティングに使用します。
図 9.

表示オプション
Size scalingオプションとColor byオプションは比較的わかりやすいオプションです。明確な結果を得るために、テンソルを1.0以下の値に正規化してください。これにより、描画されたテンソルが要素のエッジを超えることが防止されます。
Draw modeとして選択できる2つのオプションは、RegularとMomentです。
図 10.

Draw mode:Regular
Regular描画モードは、各要素の従来のフルテンソルをプロットします。通常は、応力や要素力のテンソルプロットに使用し、テンソル変換の適切な可視化で効果的です。
図 11.

Draw mode:Moment
Moment描画モードは、2D要素モーメントをより適切に概念化するために特別に追加されたものです。このモードは、変換には向いておらず、要素モーメントにのみ適用されますが、要素リファレンスガイドがなくても、サブケースの背景となっている物理特性を理解するうえで効果的です。Regular描画モードを使用すると、要素モーメントなどの任意のテンソルを可視化できます。一方、Moment描画モードは、要素モーメントそのもののプロットに特化して設計されています。描画モード間のこの違いを理解しておく必要があります。
図 12.