レイランチング法に基づく幾何光学法(RL-GO)

レイランチング法に基づく幾何光学法RL-GO)は、電気的に大きい誘電体構造や完全な導電性の構造をモデリングするための光線ベースの手法であり、レンズアンテナやレーダー断面(RCS)の解析などの用途で使用します。

RL-GOは、20λを超えるような電気的にきわめて大きい金属構造や誘電体構造のモデリングで使用できるように定式化されています。RL-GOは本質的に、レーダー断面(RCS)解析など、大規模な散乱を扱う問題の解析に最適です。“光線の放射と反射”の手法は、任意の数の複数の反射を扱ううえできわめて効率的であるからです。


Figure 1. 一定高度の平面上で航空機が1GHzに対して示すRCS:MLFMMRL-GOの比較。RL-GOでは必要なメモリ量が33分の1に減少。

Fekoは、放射元のMoM要素のそれぞれから光線を放射することで、電流に基づくMoMRL-GO手法を統合します。光線と金属構造および誘電体構造との相互作用は、反射光線、屈折光線、または透過光線が材料境界と接触した点のそれぞれに配置したホイヘンス光源を使用してモデリングします。必要な実行時間とメモリ量には、並列処理とのほぼ完璧な相関関係があります。したがって、RL-GOの問題の解析では、マルチコアCPUやクラスターコンピューターによってきわめて効率的な処理が実現します。

MoMRL-GOを複合化した手法の一般的な用途として、誘電体レンズの解析があります。給電源の構造(レンズの下に設置した金属アンテナなど)はMoMを使用してモデリングでき、大きい誘電体レンズはRL-GOを使用してモデリングできます。


Figure 2. RL-GOを使用して計算した反射器の近傍界。