ストリーマー基準:計算方法

概要

本項では、ツールにある2番目のタブである“computation method”タブについて説明します。

ストリーマー経路の進行ベクトル

前述したように、ストリーマー経路は物理量発現法則によって近似されます。Fluxでは、デフォルトで電気力線が考慮されます。
注: 逆の電界-Eも選択できますが、開始点として接地面領域(0V)のライン(Flux 2D)またはフェイス(Flux 3D)を選択した場合、ストリーマー基準を計算できません。

ベクトル空間式で定義された別の進行ベクトルを選択することもできます。

ストリーマー経路の離散化

経路の離散化は、正確な積分結果を得るうえで重要です。

3つの離散化方法が存在し、それぞれに固有の離散化ステップが定義されています。この離散化ステップをn回分割するために、オイラー・コーシー法が適用されます(nはユーザーが選択する“Number of Euler-Cauchy substeps”です)。

この3つの離散化方法を以下に示します:

  • 固定離散化: 離散化経路を固定値で定義します
  • メッシュサイズ要素に適応した離散化: 対応するメッシュ要素サイズに離散化経路が従います。結果の精度と計算時間のバランスに優れているので、この方法をお勧めします。
  • 角度最小化によって適応した離散化: 以前の方法を改善した方法に相当します。最初の離散化ステップは、以前の方法と同じように選択されます。つづいて、連続する2つの電界方向が成す角度が1°未満になるまで、このステップが細分化されます。この方法は、他の方法より正確な場合もありますが(電気力線が湾曲している場合)、計算時間は長くなります。

積分モード

実際は、ストリーマーが高電位の導体から発生するとは限りません。

高電位の導体から始まる経路がFluxによって強制的に適用される場合は、このオプションで解決できることがあります。

電界Eが経路方向で均一でない場合は、このオプションの効果があります。

実際、αeffが負数になるまでEが減少する場合は次の2つの積分計算が可能です:

  • “導体からのみ始まる積分”: 以下の図のオレンジ色の部分(緑色の部分ではなく)でαeffが体系的に積分されます。
  • “経路の両側から積分”: オレンジ色の部分と緑色の部分の間でαeff積分(K)値の最大値が比較されます。この最大値が大きい方が、ストリーマーの開始側になります。図の矢印は、ストリーマーの伝搬方向を示します。

計算モード

このオプションでは次の計算を選択できます:

  • 並列計算
  • 逐次計算
  • 自動計算: 計算時間のほとんどは並列計算で実行され、コードの制限によって並列計算を使用できない場合は逐次計算で実行されます。

二分法

二分法のパラメータは以下の要素で定義します:

  • 最大反復回数
  • Kの相対精度