表皮効果とメッシュ
表皮効果: 留意事項
表皮効果(薄膜効果)は、時間変化する電流が導体に流れる際に発生する現象を表しています。
導体断面では交流電流が均一に分布しません。電流は導体の外面の方向に集中します。この効果は電流の周波数(電流変動の速度)が高くなるほど大きくなります。
この現象は、周波数(f)、透磁率(μ)、または導電率(σ)のいずれかの値が高くなると発生します。
表皮深さ: 定義
材料が線形で均一であり、等方性の特性を備えていれば、電流が流れる“表皮”深さの中央値は式で計算できます。
ここで:
- ωは電流の角周波数(ω = 2πf)
- µは媒質の透磁率
- σは媒質の導電率
“表皮”領域のメッシュ: 確認ルール
表皮領域が平坦であれば、電流または磁界の物理量は表皮深さに対して指数関数的に減少します。
導体のサーフェスで“表皮”領域の物理量を正確に評価するには、この領域の厚み方向に2つ(2次)以上の要素の層を設定する必要があります。
表皮深さ領域のメッシュの例を右側の図に示します。
!!! 顕著な表皮効果!!!
表皮効果が顕著な場合はメッシュの問題が発生します。実際、要素を大幅に多くせずに上記のメッシュルールに従うことはきわめて困難です。電磁界の浸透深さと表皮深さδの値が導体の特性寸法に比べてきわめて小さくなると(δ <<{L, r})、顕著な表皮効果が現れます。Lは導体の長さまたは幅、rは導体の曲率半径です。
3Dアプリケーションについては、§表面インピーダンス条件(3D)をご参照ください。