薄い導電性領域
概要
渦電流を無視できない導電性領域(、磁性であるかどうかは問いません)のモデリングには、ソリッド導体タイプの領域を使用します。
使用する領域:
- パートがソリッドの場合はソリッド領域
- パートの厚みが薄い場合は薄い領域
薄い領域の使用方法に関する補足情報を以下に示します。これらの情報は、次の質問に対する回答です。
- 薄い領域における電流密度の計算に関するFluxの仮定は何か
- この領域を使用するうえでの制限と必要な条件は何か
薄い領域: 留意事項
薄い領域の使用方法の概要を次の表に示します。
薄い領域に置き換え可能な形状と置き換え後の薄い領域 | ||
---|---|---|
2Dアプリケーション | 置き換え前: 厚みがごく薄いフェイス |
置き換え後: ライン |
3Dアプリケーション | 置き換え前: 厚みがごく薄いボリューム |
置き換え後: フェイス |
厚み内部の電流密度
薄い領域内部の電流密度について、Fluxではいくつかの仮定を用意しています。2Dアプリケーションと3Dアプリケーションで適用する仮定を次に示します。
薄い領域タイプのライン(2D)の場合 | ||
---|---|---|
2Dアプリケーション |
薄い導電性領域 電流密度は厚み全体で一定であると仮定します。* |
薄い領域タイプのサーフェス(3D)の場合 | ||
---|---|---|
3Dアプリケーション | 薄い導電性領域(厚みにわたって電流密度が双曲線状に変化): 電流密度が厚み全体で双曲線*状に変化します。 |
3Dの特殊性: 接続性の問題
電気的接続性の問題は、薄い導電性領域の場合と同じように、ソリッド導電性領域でも発生することがあります。
領域に穴がある場合は、必要な電気的切断を作成し、適切なラインに割り当てる必要があります。
3Dの特殊性: 機械連成 / 回路連成
- Mechanical coupling:薄い領域が機械的アセンブリに属している場合、その領域のフェイスが他の機械的アセンブリの境界に接触しないことが必要です。
- Circuit coupling:薄い領域を回路連成している場合は、状況に応じて、2 terminal solid
conductorタイプまたはN terminal solid conductorタイプのコンポーネントを使用する必要があります。
電気端子のフェイスは、接続されたサーフェス(互いに隣接するフェイス)を形成する必要があります。
電気端子のフェイスは次のいずれかの場所にあります:
- スタディドメインの境界
- 非メッシュ化コイルの端点との接触部
3Dの特殊性: 電流密度
薄い導電性領域で使用できる局所量を次の表に示します。
瞬時局所量(複素ベクトル) | PyFlux | 単位 |
---|---|---|
電流密度: | J | A/m2 |
表面電流密度: | K | A/m |
表面電流密度は、薄い領域の厚み全体にわたって積分した電流密度に相当します。
詳細情報
薄い導電性領域(双曲線状に電流密度が変化)の詳細情報については、第5巻“Time-harmonic magnetodynamics”の章(§2.3.5項)をご参照ください。