MV-3030：Load Export

本チュートリアルでは、Load Exportユーティリティを使ってMotionSolveでのマルチボディダイナミクス（MBD）解析と有限要素解析（FEA）の間のギャップを埋める方法について学習します。

このユーティリティでは、以下のようにしてギャップを埋めます：
  • 任意のタイムステップについての１つまたは複数のボディにかかる全ての荷重を確認し、表形式のフォーマットに要約します。
  • 任意のタイムステップについての１つコンポーネントにかかる全ての荷重とモーメントを確認し、GRID、CORD、FORCE、MOMENTカードを含むNastran入力デックに送ります。
Load Exportの使用
このユーティリティを使用するには、荷重が処理されるべきコンポーネントをMotionSolveモデルで指定する必要があります。これは、以下のいずれかの方法で行います：
  • MotionViewインターフェースを使用
  • MDLモデルファイルを編集し、ボディについて荷重出力リクエストを追加

MotionViewモデルについてMS/ADAMSソルバーを実行すると、メタデータファイル（ボディについての荷重出力リクエストが含まれたMotionViewから書き出されるASCIIファイル）が得られます。

このファイルとソルバー出力ファイルMS（*.plt）またはADAMS（*.req）は、このユーティリティへの入力ファイルとなります。このユーティリティの適用範囲は図 1に示すとおりです：


図 1. 相互作用図

メタデータファイルの作成とLoad Exportの起動

このステップでは、メタデータファイルを作成し、Load Exportユーティリティを起動します。

開始に先立ち、mbd_modeling\externalcodesフォルダーにあるload_export.mdlファイルを自身の<作業ディレクトリ>にコピーします。

  1. 新しいMotionViewセッションを開始します。
  2. <作業ディレクトリ>にあるフロント車輌モデルファイルload_export.mdlを読み込みます。
  3. ProjectブラウザでModelを右クリックしてAdd > General MDL Entity > Outputを選択します。
    ヒント: Model-Generalツールバーで（Outputs）アイコンを右クリックすると、出力も追加することができます。
  4. Add Outputsダイアログでデフォルトの選択を受諾し、OKをクリックします。
  5. ドロップダウンメニューを使って、OutputタイプをデフォルトのDisplacementからForceに変更します。
  6. コレクターをダブルクリックします。
  7. Select a Bodyダイアログで、Frnt macpherson susp > Bodiesフォルダーを拡張し、Lwr control arm - leftを選択します。
    ヒント: Bodyコレクターをクリックしてモデリングウィンドウから直接Lwr control arm - leftを選択することも可能です。


    図 2.
  8. 手順3から7までを繰り返し、Lwr control arm - rightについての荷重出力リクエストを作成します。
  9. （Run）パネルボタンをクリックします。
  10. パネルのMainタブで、End timeを2秒に指定します。
  11. ソルバー入力ファイルを<作業ディレクトリ>にload_export.xmlとして保存します。
  12. RunボタンをクリックしてMotionSolveを起動し、モデルを実行します。
    MotionViewは、load_export.metaという名称のメタデータファイルを<作業ディレクトリ>に作成します。

Load Exportユーティリティの使用とNastran入力デックの作成

このステップでは、Load Exportユーティリティを使用し、Nastran入力デックを生成します。

  1. メニューバーでFlex Tools > Load Exportをクリックします。


    図 3. Load Exportユーティリティの起動


    図 4. Load Exportユーティリティ
  2. Load Exportパネルから、<作業ディレクトリ>にあるファイルload_export.metaを開きます。
    荷重出力がリクエストされている全てのボディが、Body Selectionパネルのツリー構造に表示されます。ユーザーは、ツリーリストから1つまたは複数のボディを選択できます。
  3. sys_frnt_suspフォルダーを拡張し、Lwr control arm-leftボディを選択します。


    図 5. Body Selectionパネル
    lwr control arm – leftにかかるすべての荷重がForce Selectionパネル内に表示されます。
  4. Force Selectionパネルで、Lwr control arm - leftにかかる3つの荷重すべてを選択します。


    図 6. Force Selectionパネル
  5. Time Selectionパネルで、Rangeボタンをクリックします。
  6. Minimum Time Step Valueを1に、Maximum Time Step Valueを2に指定します。


    図 7. Exportパネルのアクティブ化
  7. Time Selectionパネルで、適用（Apply）をクリックします。


    図 8.
    注: 適用（Apply）ボタンをクリックして、タイプステップの有効性を確認する必要があります。入力されたタイムステップがADAMSリクエストファイル内に存在しない場合はエラーメッセージが表示され、ユーザーは適切な修正を行う必要があります。
  8. Exportパネルで、OptiStruct/Nastranラジオボタンをクリックします。


    図 9. Nastran options
  9. Nastran Optionsボタンをクリックし、Nastran Export Panelを開きます。
    このダイアログではNastran node IDの入力および以下のオプションの指定を行うことができます：
    • Nastranデックフォーマット（Large/Small）
    • GRIDカードが書き出される基準枠（LPRF/Global）
    • 入力デックにCORD1Rカードを明示的に出力するかどうか（Yes/No）


    図 10.
  10. ダイアログ内のデフォルトの選択を受諾します。Node ID'sを次のとおり指定します：
    • Lwr ball joint - 1
    • LCA rear bush - 2
    • LCA frnt bush - 3
  11. 適用（Apply）をクリックします。
  12. Load Exportパネルで、Exportをクリックします。
  13. ファイル名を入力して、Saveをクリックします。
    これで、Nastran入力デックに加え、subcaseファイルが、.datとファイルと同じディレクトリ内に作成されます。
  14. 手順3から13までを繰り返し、Lwr control arm - rightについての荷重をエクスポートします。
    注: 複数のボディを選択した場合、Nastran Export Panelは図 11のように表示されます：


    図 11. 複数のボディを選択した際のNastran Exportパネル