MV-3040:耐久性および疲労解析ツール

本チュートリアルでは、シミュレーションの実行結果を、NCodeなどのツールによる疲労解析に使用できるファイルフォーマットに変換する方法、および、MotionViewアニメーションウィンドウから疲労解析ファイルを書き出す方法について学習します。

本チュートリアルでは、Fatigue Prep、Flex File Genおよびbuild plotsの機能を使用します。
Fatigue Prep
  • メニューバーからこの機能にアクセスするため、Flex Tools > Fatigue Prepをクリックします。


図 1.
このパネルは、表 1にリストされているファイルを変換します。
表 1.
変換前のフォーマット 変換後のフォーマット
Altair .H3D flexbody (modal content) Ncode .FES/.ASC
Ncode .DAC Altair .ABF
ADAMS .RES (modal participation factors) Ncode .DAC
ADAMS .REQ files (loads information) Ncode .DAC
Altair .PLT Ncode .DAC
ADAMS .REQ files (loads information) MTS .RPC
Flex File Gen
  • メニューバーからこの機能にアクセスするため、Flex Tools > Flex File Genをクリックします。


図 2.
Flex File Gen機能では、Flex File Genツールを使って.flxファイルを作成することが可能です。このファイルは、.graファイル(剛体グラフィックス)、.resファイル(弾性体および剛体結果)および.h3dファイル(弾性体グラフィックス)を参照します。これらのファイルは、弾性体を含むADAMS結果のアニメーション表示に必要とされます。.flxファイルは、アニメーションウィンドウへ直接読み込むことが可能です。
build plots
  • HyperGraphクライアントから、(build plot)アイコンをクリックし、この機能にアクセスします。
Build Plotsパネルでは、1つのデータファイルから複数のカーブやプロットを構築します。カーブは、1つのウィンドウ内に重ねて置かれるか、あるいは、各カーブが新しいウィンドウに割り当てられます。個々のカーブは、Define Curvesパネルを使って編集することが可能です。

Fatigue Prepウィザードの使用

このステップでは、Fatigue Prepウィザードを使ってH3DファイルをFESファイルに変換します。

  1. 新しいMotionViewセッションを開始します。
  2. MBD Modelウィンドウを選択します。
  3. メニューバーFlex Tools > Fatigue Prepをクリックします。


    図 3. Fatigue Prepウィザード
    このフォームは、Fatigue Prepウィザードの使用により可能なファイル変換のセットを示しています。
  4. ドロップダウンメニューからH3D to FESを選択します。続いて、Nextをクリックします。
  5. H3Dファイルに、mbd_modeling\durability_fatigueフォルダーにあるsla_flex.h3dを指定します。
  6. FESファイルに<作業ディレクトリ>\sla_flex_left.fesを指定します。


    図 4. Fatigue Prepウィザード
  7. Finishをクリックします。
    Altair弾性体プリプロセッサが起動され、FESファイルが<作業ディレクトリ>に作成されます。

    Fatigue Prepウィザードを使用すると、結果ファイルを.fes.ascまたは.dacファイルに変換することができます。これらのファイルは、NcodeのFE-Fatigueソフトウェアで疲労および耐久性解析に使うことができます。

ADAMS結果のREQからDACへの変換

このステップでは、Fatigue Prepトランスレーターを使用し、ADAMSの実行結果をDACファイルに変換します。

  1. 新しいMotionViewセッションを開始します。
  2. MBD Modelウィンドウを選択します。
  3. メニューバーFlex Tools > Fatigue Prepをクリックします。
  4. ドロップダウンメニューからREQ to DACを選択します。続いて、Nextをクリックします。
  5. Select req fileの横のファイルブラウザボタンをクリックし、reqをdurability_fatigueフォルダーにあるindy.reqに指定します。
    注: DACファイルフォーマットは、振動数の身が指定され各タイムステップは指定されないため、等しくないタイムステップはサポートしません。したがって、REQファイルは等しい出力タイムステップを有している必要があります。
  6. Select DACファイルに、ファイルブラウザボタンをクリックし、<作業ディレクトリ>内の出力ファイル名としてindy.dacを指定します。
  7. Y TypeにDisplacementを選択します。
    Y requestとY componentsは自動的に次の欄に入力されます。
  8. 最初の5つのY requestsと3つのY componentsを選択します。


    図 5. REQ to DAC変換
    注: REQ2DAC変換には、任意の数のY requestsとY componentsを選ぶことができます。
  9. Finishをクリックします。
    画面上に'Translation complete'(変換が完了しました)のメッセージが表示されます。MotionSolveは、選択された各組み合わせについて、15個のファイルを生成します。
  10. Cancelをクリックしてプウィンドウを閉じます。
  11. アプリケーションをHyperGraph 2Dに切り替えます。
  12. Build Plotsパネルで、<作業ディレクトリ>からファイルindy_D_997000_X.dacを読み込みます。
    注: このファイル名において、Dは変位を、9970000はリクエスト数を、Xはコンポーネントを表わします。これが、プロッティングを行うDACファイルについての情報を得る方法です。
  13. プロットを確認するために、適用(Apply)をクリックします。
    注: 元のREQファイルからの結果を比較目的でプロットすることも可能です。

Flex Fileツールの使用

ここでは、Flex Fileツールの使用方法を習得します。

  1. 新しいMotionViewセッションを開始します。
  2. メニューバーFlex Tools > Flex File Genをクリックします。
    Flex File Generatorダイアログが表示されます。このダイアログには、変換に必要なファイルがリストされています。
  3. Save the *flx file asを使用し、ファイルの宛先に<working-dir>\sla_flexを指定します。
  4. Number of Flexbodies欄に2と入力します。これは、このモデルが弾性体として2つのロアコントロールアームを含んでいるためです。
  5. Select model source (*.gra)ファイルブラウザから、durability_fatigueフォルダーにあるsla_flex.graファイルを選択します。
  6. Select result source (ASCII *.res)ファイルブラウザを使用し、durability_fatigueフォルダーからsla_flex.resファイルを選択します。
  7. 1つ目のSelect flexible body source (*.h3d)ファイルブラウザを使用し、durability_fatigueフォルダーからsla_flex.h3dファイルを選択します。
  8. 2つ目のSelect flexible body source (*.h3d)ファイルブラウザから、durability_fatigueフォルダーにあるsla_flex.graファイルを選択します。
  9. 2つのH3DファイルのID欄にそれぞれ1040420404と入力します。
    これらの値は、ADAMSソルバーのADM入力デック内の弾性体IDに対応している必要があります。

    アニメーション表示中のこれら弾性体の変形は、Def. Scale欄を使ってスケーリングすることが可能です。ここでは、デフォルト値の1.000を受諾します。



    図 6.
  10. OKをクリックします。
    これでトランスレーターが起動し、宛先のディレクトリにFLXファイルが作成されます。
  11. Select applicationリストから、TextViewを選択します。
  12. Standardツールバーから(Open Document)をクリックします。
  13. ファイルsla_flex.flxを開きます。
    ファイルの下記の内容が確認できます:


    図 7.
    注:

    選択したタイムインターバルについてのトランジェント結果を読み出すには、Optional flx statementsボックスにチェックマークを入れ、Start Time、End TimeおよびIncrementをそれぞれ入力します。

    1つまたは複数の弾性体を含むモデルについてモーダルアニメーションファイルから選択したモード形状を読み出すには、Optional flx statements for linear analysisボックスにチェックマークを入れ、Start ModeとEnd Modeをそれぞれ入力します。

    追加のステートメントは、上記のパラメータを反映してFLXファイル内に挿入されます。

疲労結果の表示

このステップでは、疲労結果をアニメーションウィンドウで確認します。

  1. アプリケーション選択ドロップダウンメニューから HyperView を選択します。
  2. Standardツールバーから(Open Model)をクリックします。
  3. Load modelファイルブラウザを使って、ファイルsla_flex.flxを選択します。
    Load result欄に同じファイル名が自動的に記入されます。
  4. 適用(Apply)をクリックします。
    (Start/Pause Animation)ボタンを使って、モデルをアニメーション表示します。剛体マルチボディと2つの弾性ロアコントロールアームの組み合わせであるモデルを確認します。
  5. Resultsツールバーで、(Contour)をクリックします。
    Result Typeドロップダウンメニューから異なるオプションを選択し、解析結果ファイルに含まれる各種結果を確認します。
    ヒント: ここから疲労解析ファイルを書き出す方法の詳細については、HyperView User’s GuideのFatigue Managerトピックをご参照ください。