OS-E:0320 無限境界要素を用いた2.1スピーカーの音響解析

OptiStructで2.1ホームシアターシステムの音圧を測るために効率的にモデル化された無限境界要素を取り上げます。



図 1. 無限境界要素、音源、音響要素、受音者を含むFEモデルモデルA

モデルファイル

必要なモデルファイルのダウンロードについては、モデルファイルへのアクセスを参照してください。

この例で使用されているモデルファイルには以下のものが含まれます:

  • Speaker_IE-A.fem
  • Speaker_IE-B.fem
  • Speaker_IE-C.fem

モデル概要

この例には、Z軸に沿って振動する(単位強制加振として適用される)スピーカー内部の音源プレート(緑色)が含まれます。音源プレートは、図 1で示されるように、音場の流体要素(前部、後部、上部)で覆われています。無限境界要素は前部流体要素のスキンで、その法線は受音者を指していなければなりません。無限境界要素を含む各スピーカーはそれぞれの極(音源の中心)位置を有します。圧力(節点上で計算される)コンターについては、受音者要素が流体節点を含むPLOTEL要素で設定されています。これは、それらの要素上で音圧が捕捉されるためです。直接法による周波数応答解析が実行されます。

FEモデルのプロパティは:
スピーカー
1次ソリッド要素
音源
1次シェル
無限境界要素
1次シェル
受音者
1次シェル
MAT1材料プロパティは:
プロパティ
ヤング率
70000 MPa
ポアソン比
0.3
初期密度
2700 Kg/m3
MAT10材料プロパティは:
プロパティ
音速
343 m/s
質量密度
1.21 Kg/m3

結果

図 2 は、受音者の圧力コンター(大きさと位相)および音源の変位のベクトルプロットを示しています。


図 2. 変位プロット
図 3 は、受音者の圧力コンター(大きさ)および音源の変位のベクトルプロットを示しています。


図 3. 音圧プロット

コンタープロットから分かるように、音圧は左右のスピーカーのインプリントに沿って中央に集中しています。したがって、これは現時点では不正確なモデリングのため3音源スピーカーの相互作用を捕捉していません。

より良いモデリングの実践のために、音場領域と無限要素を図 4のように再度モデル化します。モデルB(1つの音場領域、3つの同じ極点を有する無限要素成分を含む)、および比較検討のためのモデルC(1つの音場領域、1つの極点を有する1つの無限要素成分を含む)。


図 4. FEMモデル(モデルBとモデルC)
期待されたとおり、モデルBとモデルCは良好で類似した結果をもたらしています。


図 5. 3つのモデルすべてを比較した結果の圧力コンター


図 6. 3つのモデルすべてについて周波数に対する圧力の変化(db20)
注: 無限境界要素を用いて良好な結果を得るには、(モデルBとモデルCのような)適切なモデルの使用が推奨されます。