OS-E:3040 ソリッドブロックからの設計コンセプトの構築

パターングルーピングは、製造上の条件が見合う必要のある応用例では非常に力になります。本例では、ソリッドブロックから設計コンセプトを引き出すために、トポグラフィー最適化を使用します。望ましいのは、鋳造法を使った設計コンセプトの製造です。

モデルファイル

必要なモデルファイルのダウンロードについては、モデルファイルへのアクセスを参照してください。

この例で使用されているモデルファイルには以下のものが含まれます:
  • block.fem
  • blocklong.fem

モデル概要

最適化のセットアップはすべて、HyperMeshのoptimizationパネルおよびそのサブパネル群を使って行います。

ソリッドな矩形ブロックは両端が固定され、中央に荷重が付与されています(図 1)。

fig6p1
図 1. ソリッドブロックモデルの荷重と制約条件
ブロックの高さと幅をコントロールするために、HyperMeshを使って2つの形状変数が作成されています。(図 2および図 3

fig6p2
図 2. ユーザー定義の変数#1

fig6p3
図 3. ユーザー定義の変数#2

結果のパートは鋳造加工で製造されることが望ましいとされます。これは、鋳造の型抜き方向にlinearパターングルーピングを、型抜きに垂直にplanarパターングルーピングを使用することにより達成できます。これにより、ダイブロック状態を生じる空洞が存在しないことが確実にされます。

ソリューションの断面は、ウェブが垂直に走るI字型に近いものとなることが予想されます。この予測は、型抜き方向を水平にすることに使用され差定め、これは変数#1(ブロックの幅)に対応します。変数#1はlinearパターングルーピングを使って、変数#2はplanarパターングルーピングを使って分割されます。DTPGカードと関連のDESVARカードは下に示すとおりです:
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
DTPG 3 DVGRID 1            
+ 2.0 60.0 NO            
+ PATRN 21 50.0 250.0 50.0 0.0 0.0 1.0  
+ PATRN2 0.0 1.0 0.0          
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
DESVAR 1 DV001 0.0 0.0 1.0        
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
DTPG 4 DVGRID 2            
+ 20.0 60.0 NO            
+ PATRN 13 50.0 250.0 50.0 0.0 1.0 0.0  
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
DESVAR 2 DV002 0.0 0.0 1.0        
変数#1についてのlinear変数分散パターンにより、OptiStructは、ブロック側面の非常に多くのポイントにおけるブロックの板厚をコントロールし、非常に柔軟性の高いソリューションを提供することが可能になります。変数#2についてのplanar変数分散パターンにより、OptiStructは、ブロックの長さに沿った断面の高さをコントロールすることができます。最適化の目的は、与えられた荷重下でブロックの平均コンプライアンスを最小にすることでした。質量は、ブロックの初期質量の1/4以下に制約されています。OptiStructは、図 4に示すソリューションを生成しました。

fig6p4
図 4. ソリッドブロックのOptiStructによるソリューション

結果

ブロックの断面はI文字に近い形をしており、材料は、曲げモーメントが最大である中央の領域と、末端の上部および下部に集中しています。設計は、せん断が顕著である領域において平らで縦長になっています。空洞もダイロック状態も存在しないため、ソリューションは鋳造加工の使用により製造が可能です。ソリューションの効率性は、応力コンターを見ることで確認できます。図 5に示すとおり、応力分布はほとんど均等であり、構造のほとんどすべての部分が最大限に使われていることを示しています。

fig6p5
図 5. OptiStructによるソリューションの応力コンター
ブロックの最大寸法は2.5倍低減され、2番目のトポグラフィー最適化が実行されました。OptiStructが生成したソリューションは、図 6に示すとおりです。

fig6p6
図 6. 断面が2.5倍小さいソリッドブロックのOptiStructソリューション

ブロックの基本的な形状は、寸法が小さくなったモデルでも同じですが、より明白な特性を有しています。中央と両端のI文字型の断面は、フランジの幅がより広く、その間のせん断を有する領域は薄くなっています。寸法が小さくなるとせん断剛性に要する以上の曲げ剛性の必要性が高まることを考えると、これは理に適っています。