マルチドメインテクニック

マルチドメインテクニック(RAD2RADとしても参照されます)の目的は、大規模なRadiossモデルの計算パフォーマンスを最適化することです。

マルチドメインテクニック(RAD2RADとしても参照されます)の目的は、大規模なRadiossモデルの計算パフォーマンスをある規準に合うように最適化することです:
  • 全体モデルをその間が明確にインターフェース / 結合で定義された個別のサブドメインに分割できること。
  • 異なるサブドメインは異なるメッシュサイズで特徴づけられ、その結果、非常に異なる最小時間ステップを持つこと。

目的は、時間ステップサイズが大きく異なるドメインのモデルの予測精度を、妥当な、あるいは好都合な計算時間で、向上させることにあります。

例えば、大きなモデルの1つまたは複数のパートが亀裂の局所化 / 伝播の様な特定の局所的現象を得るために細かくメッシュ分割されている場合の計算に、マルチドメインテクニックを用いるのは訴求力があります。

航空機の不時着水または着陸シミュレーションにおいて見られるような、大きな流体-構造相互作用モデルの計算にマルチドメインテクニックを使用するとさらに有用です。この場合、時間ステップが大きい流体要素は、時間ステップが非常に小さいLagrange構造要素に比べて非常に多くなります。

Radioss衝突ソルバーで用いられている陽的積分スキームでは、モデル全体の時間ステップが、要素の最小時間ステップで規制されます。このモデル全体を物理的に等価なサブドメインに置き換えるという概念は、パートを異なる最小時間ステップで分割します。それぞれのサブドメインは個別のRadiossモデルとしてその時間ステップで解かれ、その間の力や運動量の伝達は、別のメインプログラム(RAD2RAD)で安定性の拘束条件を満足するように計算されます。


図 1.
マルチドメインの効率は、以下に示す2種類の相違に基づきます:
  • 時間ステップのサイズ
  • ドメインの相対サイズ


図 2.
特に、次のようなメインドメインおよびサブドメインがあるモデルに適しています:
  • メッシュ密度が大きく異なるため、時間ステップが大きく異なる
  • ALEまたはSPHドメインがLagrangeドメインより大きい場合に、Lagrange、ALEまたはLagrange、およびSPHなど、定式化がさまざまである