詳細なリスクおよび根本原因分析

SnRD使用してきしみ・がたつきの問題を特定、評価、および排除します。

最初のS&Rスクリーニングのリスク分析では、さまざまなインターフェースでいくつかの入力データが欠落していました。その時点では、ギャップまたは材料プロパティがまだ定義されていなかったためです。現時点では、設計チームに各E-ラインについて分析済みの情報が蓄積されてきています:
  • がたつきライン:
    • ギャップやトレランスが、デザイン部門やエンジニアリング部門から定義できるようになりました。
    • これらの寸法は、SnRDにインポートでき、既存のモデルの更新に使用できます。
  • きしみライン:
    • 材料の選択がさらに充実し、スティックスリップ試験データの検索や、関連するE-ラインへの適用が可能になりました。
    • さまざまなソース(Zieglerデータベース、独自のデータベースなど)で使用可能なスティックスリップデータをSnRDにインポートし、既存のモデルを更新できます。
このチュートリアルの目的は、以下の通りです。
  • 解析に必要なFEモデルの作成
    • 自動および手動による以下を使用したE-ラインの作成
      • 6つのがたつきライン
      • 2つのきしみライン
  • ユーザー定義の多方向荷重データによる動的荷重ケース
  • 解析、ポスト処理の実行と感度スタディの実施
図 1. ワークフロー
このチュートリアルでは、以下のファイルを使用します。
  • ...\hwdesktop\demos\snr\001_model - モデルとジオメトリラインのファイルが含まれます。
  • ...\hwdesktop\demos\snr\002_dts_and_material_data - DTSと材料データのファイルが含まれます。
  • ...\hwdesktop\demos\snr\003_loads -荷重定義ファイルが含まれます。

モデル、DTS、、および材料ファイルのインポート

インポートツールを使用して、必要なファイルをインポートします。

  1. モデルをインポートします。
  2. をクリックして、追加オプションを開きます。
    図 2.
  3. ファイルブラウザオプションを使用し、詳細なリスクおよび根本原因分析で紹介した必要な各エントリのファイルを選択します。
  4. インポートをクリックします。
    これにより、選択したモデル、DTS、および材料のファイルがセッションにインポートされます。
    図 3.

ジオメトリラインファイルのインポート

このステップでは、ジオメトリラインのファイルをインポートします。

  1. Setupグループから、Define Interface > Import Geometry Fileを選択します。
    図 4.
    ファイルブラウザのダイアログが表示されます。
  2. geometriclines.stpファイルを参照し、選択します。
    ジオメトリラインファイルがセッションにインポートされます。
    図 5.

E-ラインの作成

このステップでは、Create E-ラインツールを使用して、インターフェイスにE-ラインを作成します。

以下に、このステップで作成するE-ラインを示します。
表 1.
方法 ラインタイプ ギャップ方向 メインコンポーネント セカンダリコンポーネント インターフェース名
Fast Rattle In plane to Main IP Substrate Glove Box GloveBox_To_IPsubstrate
Fast Squeak In plane to Main IP Substrate Dashboard Panel Ipsubstrate_To_Dashboardpanel
Manual Rattle In plane to Main IP Substrate Control Panel Upper IPsubstrate_To_ControlpanelUpper
Manual Rattle Normal to Main Radio Panel Lower Control Panel Radiopanel_To_ControlPanelLower
Manual Rattle In plane to Main Driver Side Panel Lower Control Panel DriverSidepanel_To_Controlpanellower
Manual Rattle In plane to Main Driver Side Panel IP Substrate DriverSidepanel_To_IPsubstrate
Manual Rattle In plane to Main Lower Control Panel IP Substrate IPsubstrate_To_Controlpanellower
Manual Squeak Normal to Main Speedometer Control Panel Upper Speedometer_To_ControlPanelUpper
  1. E-ラインの高速作成
    1. Setupグループから、Create E-Lineツールを選択します。
      図 6.
      ガイドバーが開きます。
    2. ComponentsにIP SubstrateGlove Boxを選択します。
      ヒント: Tabをクリックすると、オプションが切り替わります。
    3. Linesに、Glove Boxコンポーネントのエッジにあるジオメトリラインを選択します。
    4. をクリックします。
      これにより、インターフェースが作成され、黄色でハイライト表示されます。
      図 7.
    5. 上記のサブステップを繰り返し、IP SubstrateとDashboard Panelの間にASqueakラインを作成します。
  2. E-ラインの手動作成
    1. を非アクティブにし、手動でE-ラインを作成します。
    2. In Plane to Mainを選択します。
    3. Mainに、IP Substrateを選択します。
    4. Secondaryに、Control Panel Upperを選択します。
    5. Linesオプションに、Control Panel Upperコンポーネントのエッジにあるジオメトリラインを選択します。
    6. をクリックします。
      これにより、インターフェースが作成され、黄色でハイライト表示されます。
    7. 上記のサブステップを繰り返し、表 1にある残りのE-ラインを作成します。
すべてのE-ラインが作成されると、モデルは図 8のようになります。
図 8.

E-ラインのリアライズ

E-ラインを使用して、すべてのE-ラインをリアライズします。

  1. Setupグループから、Manage E-ラインツールを選択します。
    図 9.
  2. をクリックします。
    注: グラフィックス領域では、インターフェースが定義されるコンポーネントのみが表示されます。
    モデル内のすべてのE-ラインがリアライズされます。
    図 10.
  3. Setupグループから、Manage E-ライン > Review E-ラインツールを選択します。
    図 11.
    Review E-Lineテーブルが表示されます。
  4. きしみラインでは、メインとセカンダリの材料に以下の材料を選択します。
    1. Master Materialには、PPTD_20を選択。
    2. Secondary Materialには、PPTD_20を選択。
    3. Master Materialには、PPTD_20を選択。
    4. Secondary Materialには、ABSを選択。

動的荷重ケースの定義

このステップでは、動的荷重ケースを作成します。

  1. Setupグループから、Dynamic Eventを選択します。
    図 12.
  2. グラフィックス領域から、図 13に示す節点を選択します。
    図 13.
    マイクロダイアログが開きます。
    図 14.
  3. 変位Dを選択します。
  4. Load CurveにFrom Fileを選択します。
  5. 荷重方向にXY、およびZを選択します。
  6. をクリックします。
    ファイルブラウザのダイアログが表示されます。
  7. ブラウズして003_loadsフォルダーからExcitation_XYZ.csvファイルを選択します。
    シミュレーションに必要な荷重コレクターとその他のエンティティ作成されます。
    図 15.
    ヒント: Modelブラウザに、作成した新しいエンティティが表示されます。
    新たに作成した荷重はCurve Editorダイアログに表示されます。
  8. Curve Editorダイアログで、荷重カーブを確認し、ダイアログを閉じます。
    図 16.

荷重ケースの確認とソルバーデックのエクスポート

動的荷重ケースを確認します。

  1. AnalyzeグループからReview All Loadcaseを選択します。
    図 17.
    Load Step Tableダイアログが開きます。
    図 18.
  2. SnRD_MTRAN_EnforcedDisplacement_1_XYZエントリに対し、 Exportボックスにチェックが入っていることを確認します。
  3. Closeをクリックします。
  4. AnalyzeグループからExport OptiStruct Solver Fileを選択します。
    図 19.
    Model Exportダイアログが開きます。
    図 20.
  5. Exportをクリックします。
    フォルダー選択ダイアログが表示されます。
  6. ブラウズして、必要なフォルダーを選択します。
    これにより、OptiStructソルバーデックが選択されたフォルダーにエクスポートされます。
  7. CloseをクリックしてModel Exportダイアログを閉じます。
エクスポートした.FEMソルバーデックを使用して、OptiStructソルバーで解析を行います。完了すると2つの出力ファイル、.H3Dおよび.PCHが生成されます。これらのファイルは結果のポスト処理で使用されます。

モデルと結果ファイルのインポート

SnRDポストを使用し、結果をポスト処理します。

  1. HyperWorksを起動し、HyperViewクライアントに切り替えます。
  2. メニューバーFile > Load > Preferences Fileをクリックします。
    Preferencesダイアログが開きます。
  3. PreferencesダイアログでSqueak & Rattleを選択し、Loadをクリックします。
    HyperViewクライアントでSnRDメニューが表示されます。
  4. SnRD > SnRD-Postを選択します。
    SnRDポスト Processingツールが開きます。
    図 21.
  5. ファイルブラウズオプションを使用して、OptiStructソルバーファイルのエクスポートでエクスポートされたOptiStructソルバーファイルをModel Fileとして選択します。
    注: 事前に出力された、E-ライン定義を含むCSVファイルが、自動的に読み込まれます。
  6. をクリックします。
    ファイルブラウザのダイアログが表示されます。
  7. tutorialsフォルダーから tutorial_ip_snr_model.pch ファイルを選択します。
    PCHデータの読み込み中に作業ステータスダイアログが表示されます。
    図 22.
  8. Subcase selectionテーブルでサブケースに対するボックスにチェックを入れます。
  9. Save Session File入力欄のをクリックします。
  10. ブラウズして、ポスト処理セッションおよびデータが格納されるフォルダーを選択します。
    完了すると、タブの入力値は図 23のようになるはずです。
    図 23.

結果のポスト処理

Full Analysisを実行し、モデルにおけるきしみ・がたつきのリスクを把握します。

  1. Post Processingタブで以下のとおりパラメータを定義します。
    1. Analysis typeには、Rattle & Squeakを選択します。
    2. Line(s to Evaluate)には、Allを選択します。
    3. % statistical evaluationに、0入力します。
    4. Session Typeには、Full Analysisを選択します。
  2. Executeをクリックします。
    注: マシンのパフォーマンスによっては、Full Analysisの実行でヒストグラムを作成し、コンターをプロットするにはかなりの時間がかかります。
    実行が正常終了したというメッセージが表示されます。
    図 24.
  3. Closeをクリックします。
Full Analysisでは、すべての詳細を含むページが11ページ作成されます。がたつき解析の要約は最初のページに掲載されます。
図 25. Rattle Summary Dynamic
きしみ解析の概要は9ページ目に掲載されます。
図 26. Squeak Summary Dynamic

結果の評価

このステップでは、ヒストグラムおよびコンタープロットを確認して、結果を分析して、きしみ・がたつきのリスク評価を完了します。

最初のページのRattle Summary Dynamicより、Rattle line ID 19513009で最大の相対変位が発生していることがわかります。Sensitivity Analysisを実行し、相対変位に対するモードの影響を評価します。
  1. 5ページに移動して、Rattle Detailed Dynamic - Line ID 19700009の詳細を表示します。
    図 27.
    ポイント19513001でのRelative Displacementが1.85915 mmであることがわかります。これは、Gapおよび(Gap - Tolerance)の値より大きくなっており、このDriver Side Panel - Lower Control Panelのインターフェースにおけるがたつきのリスクを示しています。
  2. Sensitivity Analysisタブをクリックします。
  3. 以下のパラメータを定義します。
    1. Result Fileで、Tutorial_IP_SNR_Model.pchを選択します。
    2. Subcase NameにSubcase 4 (SnRD_MTRAN_EnforcedDisplacement_1_XYZ)を選択します。
    3. Modal Result File (.H3D)で、Tutorial_IP_SNR_Model.h3dを選択します。
  4. E-Line Selectionセクションで、以下のパラメータを定義します。
    1. E-ラインに、19513009を選択します。
    2. Select Pairに、Line check boxを選択します。
    3. Select Directionに、Zを選択します。
  5. Load Time Historyをクリックします。
    作業ウィンドウが表示され、相対変位のプロットを処理していることが示されます。
    図 28.
    完了すると、ライン内のすべてのポイントの相対変位プロットが表示されます。
    図 29.
  6. Modal Contributionパネルで、Analyzeをクリックします。
    作業ダイアログが表示され、Relative Modal Contributionのプロットを処理していることが示されます。
    図 30.
    Relative Modal Contribution - Line 19700009- zが、このラインのモード、コンター、および相対変位のプロットにより作成されます。
    図 31.
    Modesプロットより、Mode-4の26.5 Hzが、がたつき問題の最大の要因であることがわかります。
  7. Modal Sensitivity StudiesパネルのModal Sensitivityをクリックします。
    図 32.
  8. Select Contributor(s) toリストからExcludeを選択します。
  9. % to Excludeの値に50と入力します。
  10. Mode #列のMode 4のチェックボックスにチェックを入れます。
  11. Analyzeをクリックします。
    Modal Sensitivity for Line (MSL) - Line ID 19700009-zページがセッション内に作成され、すべてのインターフェースポイントに対するMax Relative Displacement (mm)がプロットされます。
    図 33.
    モード4が除外されると、相対変位が50%減少します。
  12. 上記のステップを繰り返し、モデル内の残りのラインについて調べます。