品質感(静的)分析

SnRDを使用して静的荷重のきしみ・がたつきを特定します。

さまざまな業界で、製品の感触による知覚品質が測定されています。主観的なトピックですが、エンジニアリングコミュニティではこの評価をさまざまな荷重ケースに分類しています。そのうちの1つが品質感で、製品上のさまざまな位置への静荷重の適用(消費者がパートに触れたり、パートを押したりする様子をシミュレートしています)で構成されます。最初の評価は、剛性[N/mm]の測定、およびその値とターゲットとの比較です。剛性が許容できるものであっても、きしみの問題は発生することがあります。これは互いに触れ合うパート間のスティックスリップの結果です。SnRDの静的荷重ケースのセットアップと関連するポスト処理機能により、アナリストは静的荷重下でのきしみ・がたつきを評価できます。
以下に、このユースケースで取り上げられるワークフローを図示します:
図 1.
このチュートリアルの目的は、以下の通りです。
  • きしみ・がたつきの問題を解析するためのFEモデルを準備する。
  • Lower Control Panelコンポーネントの特定の節点に、振幅-5.55の静的荷重を適用する。これはタッチポイントのシナリオをシミュレートします。
  • 解析の実行と結果のポスト処理を行う。
このチュートリアルでは、新規のモデルを使用し、モデルの解析セットアップを準備します。このワークフローについては、詳細なリスクおよび根本原因分析の次のセクションをご参照ください: E-ラインを含むモデルをインポートします。このワークフローでは、詳細なリスクおよび根本原因分析ユースケースで作成したE-ラインを含み、動的荷重ケースを含まないモデルを使用できます。

ニーズに応じてワークフローを選択し、手順については上記のセクションをご参照ください。E-ラインを含むモデルができたら、静的荷重ケースのセットアッププロセスを進めることができます。

このチュートリアルでは、...\hwdesktop\demos\snr\004_model_with_elinesフォルダーにあるファイルを使用します。このフォルダーには、モデルおよびE-ラインの事前出力されたCSVファイルが含まれています。
  • モデルファイル: tutorial_ip_snr_model.fem
  • E-ラインデータベースファイル: tutorial_ip_snr_model_pre_output.csv

静的荷重ケースの定義

このステップでは、静的荷重ケースを作成します。

  1. Setupグループから、Dynamic > Static Eventの横のドロップダウン矢印を選択します。
    図 2.
  2. グラフィックス領域で、Lower Control Panelコンポーネントないの以下の節点を選択します。
    • 493552
    • 493543
    • 493563
    • 493478
    • 493477
    • 493518
    • 493503
    • 493494
    • 493530
    図 3.
  3. マイクロダイアログで、Fを選択します。
  4. 振幅として、-5.55とを入力します。
  5. 荷重方向は、Xを選択します。
    図 4.
  6. をクリックします。
    選択した節点で力荷重が作成されます。それぞれの荷重コレクターが作成され、Modelブラウザにリストされます。

制約の定義

このステップでは、モデルの制約を定義します。

  1. Setupリボンで、Static Event > Setup Constraintsを選択します。
    図 5.
    ガイドバーが開きます。
  2. グラフィックス領域から、図 6に示す節点を選択します。
    図 6.
  3. マイクロダイアログのLoadstepオプションでSnRD_STATIC_FORCE_1_Xを選択します。
  4. すべての自由度を選択します。
    図 7.
  5. をクリックします。
    シミュレーションに必要な荷重コレクターとその他のエンティティで静的荷重ケースが作成されます。それぞれの荷重コレクターが作成され、荷重ステップに割り当てられます。

モデルと結果ファイルのインポート

SnRDポストを使用し、結果をポスト処理します。

  1. HyperWorksを起動し、HyperViewクライアントに切り替えます。
  2. メニューバーFile > Load > Preferences Fileをクリックします。
    Preferencesダイアログが開きます。
  3. PreferencesダイアログでSqueak & Rattleを選択し、Loadをクリックします。
    SnRD メニューは、HyperView クライアントで作成されます。
  4. SnRD > SnRD-Postを選択します。
    SnRDポスト Processing ツールが開きます。
    図 8.
  5. ファイルブラウズオプションを使用して、OptiStructソルバーファイルのエクスポートでエクスポートされたOptiStructソルバーファイルをModel Fileとして選択します。
    注: 事前に出力された、E-ライン定義を含むCSVファイルが、自動的に読み込まれます。
  6. をクリックします。
    ファイルブラウザウィンドウが表示されます。
  7. tutorialsフォルダーから tutorial_ip_snr_model.h3dファイルを選択します。
    H3Dデータの読み込み中に作業ステータスダイアログが表示されます。
  8. Subcase selectionテーブルでサブケースに対するボックスにチェックを入れます。
  9. Save Session File入力欄のをクリックします。
  10. ブラウズして、ポスト処理セッションおよびデータが格納されるフォルダーを選択します。
    図 9.

ポスト処理

Full Analysisを実行し、モデルにおけるきしみ・がたつきのリスクを把握します。

  1. Post Processingタブで以下のとおりパラメータを定義します。
    1. Analysis typeには、Rattle & Squeakを選択します。
    2. Line(s) to EvaluationでAllを選択します。
    3. % statistical evaluationに、0を入力します。
    4. Session Typeには、Full Analysisを選択します。
  2. Executeをクリックします。
    注: マシンのパフォーマンスによっては、Full Analysisの実行でヒストグラムを作成し、コンターをプロットするにはかなりの時間がかかります。
    実行が正常終了したというメッセージが表示されます。
    図 10.
  3. Closeをクリックします。
Full Analysisでは、すべての詳細を含むページが11ページ作成されます。がたつき解析の要約は最初のページに掲載されます。
図 11. Rattle Summary Linear
きしみ解析の概要は8ページ目に掲載されます。
図 12. Squeak Summary Linear

結果より、静的力を適用したモデルでは、きしみ・がたつきの問題は生じていないことがわかります。力を大きくしてポスト処理を再実行し、問題を検証することもできます。