Bodies

Bodiesツールを使用して、剛体、ポイント質量ボディ、可変形ボディ(弾性体)を作成します。

以下の図は、MotionViewでマルチボディシステムに使用できる、剛体、ポイント質量、可変形ボディの3種類のボディ(およびそのプロパティ)を示します。


図 1.

Rigid Body

マルチボディシステムでは、剛体とは、変形があまり重要ではないか無視できることから、大きさと形状が固定されたソリッドボディ / パートの理論上の表現です。言い換えれば、このような剛体では、それに作用する外力に関係なく、その2点間の距離が変化しません。

剛体は、6の自由度(DOF)を持つため、マルチボディシステムに剛体を追加するたびにシステムに6のDOFが追加されます。

剛体には、移動可能と固定の2つのタイプがあります。固定タイプの剛体は、グラウンドボディとも呼ばれます。グラウンドボディは、ニュートン参照フレームを表します。デフォルトおよび定義では、これは完全に静止しています。HyperWorksでは、グラウンドボディはデフォルトですべてのモデルに存在します。

可変形ボディ(別名: 弾性体)

マルチボディシステムにおける可変形ボディは、システムのボディの弾性変形をモデル化するために使用できるボディです。可変形ボディは、隣接する要素またはボディに結合点を介して結合されます。可変形ボディは、さまざまな方法で縮退した剛性マトリクスと質量マトリクスで構成されています。これらの一般的な手法として、Craig-Bampton MethodとCraig-Chang Methodの2つがあります。

可変形ボディのプロパティは、弾性体H3Dファイルを使用して定義されます。弾性体H3Dファイルは、FE解析のコンポーネントモード合成法を使用して作成されます。弾性体H3Dファイルは、Altair OptiStruct FE Solverを使用して作成できます。MotionViewでは、FlexBody Prepユーティリティを使用して、FEモデルから弾性体ファイルを作成できます。

MotionViewでは、単一のボディまたはペアボディとして表した上記のタイプのボディの作成をサポートしています。ペアボディの場合、プロパティはグローバルZX平面を基準にして対称にすることができます(可変形ボディペアの場合を除く)。

ポイント質量ボディ

ポイント質量ボディは、6自由度の剛体から自由度を縮退したボディです。ポイント質量ボディでは、自由度が3つの並進自由度のみであることから、質量はありますが、慣性プロパティはありません。質点の位置は質量中心点によって定義されます。デフォルトでは、質点の方向は、全体座標系と同じになるように設定されます(シミュレーション中に変更されることはありません)。ポイント質量エンティティの目的は、追加の代表的な重量を別のボディに追加することです(シートにかかるドライバーの体重など)。

NLFEボディ

NLFEは非線形有限要素(Non Linear Finite Element)の略です。MotionView/MotionViewでのNLFE実装は、絶対節点座標法(ANCF)に基づきます。このアプローチでは、無限小回転や有限回転を使用せずに、絶対座標と全体勾配のみを使用して、要素節点座標が定義されます。

複雑なマルチボディシミュレーションでは、モデルの忠実度向上を図るために弾性体が必要です。変形や回転が大きくなる、または線形仮定を逸脱することが想定される場合は、NLFEが必要になります。NLFEは、ケーブル、ベルトドライブ、リーフスプリング、トーションビーム、スタビライザーバー、コイルスプリングなど、多くのアプリケーションに採用できます。

また、NLFEをモデルで使用する前に、縮退解析は必要ありません。さらに、実装は単純で、従来のFE手法よりはるかに迅速にサブシステムをモデル化できます。これらすべてにより、モデル化から解析までの所要時間が短縮されます。