複数のODBバージョンのサポート

ODBリーダーは、複数のバージョンのAbaqus ODB結果ファイルをサポートします。

サポートされているAbaqusバージョンであれば、複数であってもアップグレードせずに読み取ることができます。現行のリリースは、Abaqus ODBのバージョンAbaqus 2021、2020、2019、2018、2017をサポートします。この機能は、HyperViewHyperGraph、HvTrans、Abaqus_fbdユーティリティなど、Altair Simulationのすべての製品で利用できます。

複数のODBバージョンの使用方法

ODB結果ファイルのバージョン2021、2020、2019、2018、2017を、アップグレードせずに読み取ることができます。バージョン2017より前のファイルを読み取ろうとすると、エラーメッセージが表示されます。
  1. 2017年より古いファイルを読み込むには、Load modelパネルのReader Optionsをクリックします。
  2. ReaderとしてABAQUS ODB Result Readerを選択します。
  3. Auto-upgrade older ODB filesオプションをtrueに設定します。これにより、デフォルトのAbaqusバージョンで一時的なODBファイルが作成されます。

デフォルトのAbaqusバージョンを別のサポートされているバージョンに変更するには、Load modelパネルのReader optionsダイアログを使用します。たとえば、多用するバージョンがAbaqus 2017である場合は、このセレクターをバージョン2017に設定します。

注:
  • この変数を設定しない場合、ODBファイルは最新バージョン(現在はAbaqus 2021)にアップグレードされます。
  • これより新しいバージョンの.odbファイルにする場合は、Windows/Linuxのx86/x64プラットフォーム上でHvTransを使用してODBをH3Dに変換します。つづいて、HyperWorksによってサポートされている任意のプラットフォーム上で、対話形式のポスト処理を実行できます。過剰に大きいサイズのH3Dファイルにならないように、必要な結果のみを変換するようにします。

アップグレードユーティリティの使用

ODBアップグレードユーティリティは、ファイルのバージョンに依存しません。このユーティリティにアクセスしてODBファイルをアップグレードする方法は次の2通りがあります:
  1. StartメニューからProgram > <HyperWorks Installation> > Tools > AbaqusODB UpGradeを選択します。
  2. コマンドライン

スタートメニューまたはHyperViewのドロップダウンメニューからアップグレード機能を使用すると、ODBファイルは最新バージョン(2020)または上記の環境変数で設定したバージョンにアップグレードされます。

コマンドラインオプションの場合は次のシンタックスを使用します。
abaqus_odb_upgrade <-version> <input> <output>
-version
ここでバージョンを指定する必要があります(-6.14など)。バージョンを指定していない場合は、アップグレードユーティリティによって最新バージョン(2020)または環境変数で設定したバージョンにアップグレードされます。
input
アップグレードするODBファイルのパスとファイル名をここで指定する必要があります。そのファイルが現在の作業ディレクトリに配置されている場合は、パス名を省略できます。
Windowsでは、入力ファイルを指定していない場合、ファイルを選択するためのダイアログが開きます。
output
アップグレードされたファイルのパスとファイル名をここで指定する必要があります。
パスを指定していない場合、アップグレードされたファイルは現在の作業ディレクトリに配置されます。
ファイル名を指定していない場合は、abaqus_odb_upgradeによってファイル名の最後にバージョンを指定する拡張子が付加されます。
例:
abaqus_odb_upgrade -6.14 c:\input\demo_610result.odb c:\output\demo_614.odb
アップグレードユーティリティの場所:
Windows
<altair>\io\result_readers\bin\win32\
Linux
<altair>\altair\scripts\
注: Abaqus .odbリーダーを使用するすべてのツールの効率と起動時間を改善するために、必要なリーダーのみが開始されるようにファイルバージョンの決定が試みられます。また、Abaqusファイルを読み取らないセッションでは、どのAbaqusリーダーも開始されず、メモリも消費されません。.odbファイルのバージョンが正しく決まっていれば、関連するリーダーのみがインポート後に動作することが理想的です。