Flux e-Machine Toolbox:連成コンポーネント

概要

Flux e-Machine Toolbox連成を実現するには、事前に準備したモデル化済みのFluxプロジェクトから連成コンポーネントを生成する必要があります。この連成を実現するためにFluxプロジェクトの構築で考慮すべき前提条件がいくつかあります。

Fluxプロジェクトの準備

前提条件を以下に示します:

  • 三相回路でのTransient magneticでのみ使用可能な連成。
  • シナリオでテスト済みで名前がSPEEDのI/Oパラメータであって、適用速度で回転しているメカニカルセットに使用するパラメータ。
  • 式で定義した、名前がPOS_INIのI/Oパラメータであって、時間位置t=0sで回転しているメカニカルセットに使用するパラメータ。
  • 極数を定義する形状タイプのパラメータ。
  • 解析シナリオを定義する必要はありません。テストを実行するときに、Flux e-Machine Toolboxによって自動的に定義されます。
  • 鉄損の計算では、回転子と固定子に非導電性積層磁性領域を使用する必要があります(2D、3D、およびFeMT 2021以降のSkewで有効)。
    注: Skewでは、2021よりも前のバージョンのFeMTの場合に非導電性積層磁性領域を使用できませんでした。その場合は、非導電性磁性領域の使用をお勧めしていました。
  • 鉄損の計算では、損失モデルを使用して材料を定義し、非導電性積層磁性領域に割り当てることを強くお勧めします。
  • 最初の期間で直接損失を計算し、計算するステップ数を制限できるようにするには、静的計算によって初期化する過渡初期化オプションをアプリケーションで定義する必要があります。
  • FeMT 2021以降では、Fluxで表現した断面に複数の磁極を置いた設計がサポートされています。これにより、すべてのタイプの機械を表現できますが、固定子巻線と回転子巻数の周期配列が異なる分数スロット巻線機械の表現で特に効果的です。
    警告: 現在のところ、3DとSkewには、周期性が1つ以上存在しないと、機械を十分に表現できないという制限があります。
    注: 2021よりも前のバージョンのFeMTでは、断面を表示できる磁極が1つに限られるという制限がありました。この場合は、1つの磁極ピッチにすべての情報を記述する必要があります。

連成コンポーネント

FluxプロジェクトからFlux e-Machine Toolboxに情報を転送できるようにするには連成コンポーネントが必要です。このコンポーネントは*.FEMTフォーマットのファイルです。

連成コンポーネントの生成機能を利用するには、SolvingメニューからGenerate component for Flux e-Machine Toolbox couplingをクリックします:



  1. Name_of_the_component.FEMTディレクトリに保存されているコンポーネントの名前
  2. コンポーネントがすでに存在する場合に、そのコンポーネントを上書きするかどうかの指定
  3. コンポーネントの保存先ディレクトリ(デフォルトでは現在の作業ディレクトリ)
  4. コンポーネントを生成した後でFlux e-Machine Toolboxを起動して、生成したコンポーネントを開くかどうかの指定
  5. モーターの種類(現時点で指定できるのは、Synchronous machineのみ)
  6. モーターのタイプ(現時点で指定できるのは、Permanent magnet SM-PMのみ)
  7. モーターのサブタイプ(Outer rotorまたはInner rotor
  8. 固定子巻線のジュール損失を計算するために必要な情報
    1. 相数(現時点で指定できるのは三相のみ)
    2. 各相のコイル導体
  9. 回転子の渦電流損失を計算するために必要な、次のいずれかの情報
    1. 磁石の回転子領域で発生する渦電流損失を計算する定義済みセンサー
    2. 回転子の渦電流損失の計算対象とする領域のリスト(センサーは自動的に作成されます)
    3. 回転子の渦電流損失の計算対象とするソリッド導体のリスト
  10. 電気機械の極数(形状パラメータが必須です)
  11. 固定子の周期性の反復回数(反復回数が回転子と異なる場合に指定)

生成されるファイル

XXX.FEMT連成コンポーネントを生成することによって、以下が存在するXXX.FEMTディレクトリが作成されます:

  • 保存したFluxプロジェクトproject.FLU
  • Flux e-Machine Toolboxで実行したテストの保存先となるtestsディレクトリ
  • スタディ対象機械のパフォーマンスマッピングを計算するうえで必要なすべての情報を収めたconfig.xmlファイル