Flux e-Machine Toolbox:ポスト処理
概要
テスト実行が完了すると、中央の領域にパフォーマンスマップが表示されます。左側にあるフィルタを使用して、目的のパフォーマンスマップを直接表示できます。カーソルを使用してマップをポイントすることによって、その位置での値を表示できます。
パフォーマンスマップ
トルク-速度領域で次の量がポスト処理されます:
- 効率
- 相電流
- 相電圧
- 制御角
- 機械的パワー
- 回転子と固定子の鉄損
- 固定子巻線のジュール損失
- 回転子の渦電流損失
- 全損失: 上記の3種類の損失の合計
Skewの特殊性
Fluxでは、Skewモデルが2D環境で記述されます。その後で、ポスト処理向けに3Dデバイスが再構築されます。フェイス領域がボリューム領域になります。
FeMT 2021以降のSkewプロジェクトでは、非導電性積層磁性領域でのみ鉄損が計算されるようになっています。
- 固定子と回転子には非導電性積層磁性領域を使用する必要があります。
- 損失モデルを使用して材料を定義し、それを非導電性積層磁性領域(固定子と回転子)に割り当てることをお勧めします。そのようにしない場合、鉄損計算にはデフォルトのパラメータ値が使用されます。
Skewでは積層領域が存在しないので、非導電性磁性領域についてのみ鉄損が計算されていました。この場合は、Flux解析プロセス後にデフォルトのBertotti係数が適用されていました。
(K1=151.88、K2=0.07、K3=1.19、A1=2、A2=2、A3=1.5)
FeMT 2021では、積層領域がない旧Skewプロジェクトの鉄損が計算されなくなりました。
FeMT 2021でも、旧Skewプロジェクトを開き、FeMTの旧バージョンを使用して計算した以前のシミュレーションの結果を表示することはできます。ただし、この旧プロジェクトで新しいシミュレーションを開始することはできません。
このような旧プロジェクトで新しいシミュレーションを実行するには、Flux 2021でそのSkewプロジェクトを開き、FeMT連成コンポーネントを作り直す必要があります。
新しいコマンドによるポスト処理
以前に解析したテストから、以下の“コマンド”入力を変更するだけで、新しいテストをポスト処理できます。
- Max. Phase Current, rms (A)
- Max. Phase Voltage, rms (V)
- コマンドモードMTPA/MTPVまたはMTPA Fast/MTPV Fast
マップはわずか数秒で更新されます。
- 標準解析ワークフローを使用する場合は、次のように切り替えることができます:
- MTPAからMTPVへ
- MTPVからMTPAへ
- 高速解析ワークフローを使用する場合は、次のように切り替えることができます:
- MTPA FastからMTPV Fastへ
- MTPV FastからMTPA Fastへ
- Post-process with a new commandダイアログを開きます:
- TESTSテーブルでは、有効なテストが選択されていて、その選択されたテストを新しいコマンド入力によってポスト処理できる場合に ボタンが有効になります。
または
-
有効なテストを右クリックして表示されるコンテキストメニューで、Post-process with a New Commandをクリックします。
→ ダイアログが開きます。
- TESTSテーブルでは、有効なテストが選択されていて、その選択されたテストを新しいコマンド入力によってポスト処理できる場合に ボタンが有効になります。
- 各欄に新しいカスタム値を入力して確定します。
→ TESTSテーブルに新しいテストが自動的に作成され、数秒でマップが生成されます。
- Imaxは、“Max. Phase Current, rms (A)”の初期値になります。テストが別のポスト処理されたテストからポスト処理される場合であっても、これは常に、元の完全に計算されたテストの値になります。
- このため、ImaxNewは0.5*Imax ≤ IMaxNew ≤ Imaxである必要があり、そうでなければ外挿によって精度が失われる可能性があります。その場合には警告メッセージが表示されます。
- ImaxNew < √2*Imaxでなければ、エラーメッセージが表示されます。