Flux e-Machine Toolbox:コマンドライン
概要
Flux e-Machine Toolboxのコマンドラインは、名前がemtcli
のプログラムです。このコマンドラインを使用すると、スクリプトからFlux e-Machine Toolboxの特定の機能を呼び出すことができます。
コマンドラインによってFlux e-Machine Toolboxを使用可能にするには、次の手順を実行します:
- emtcli.exeと同じ場所でDOSを開きます:
%FLUX_INSTALL_DIR%/Flux/EMachineToolbox/bin
-
コマンドプロンプトで“
emtcli.exe
”を実行します。
現在のところ、emtcli
を使用すると、既存のFlux e-Machine Toolboxコンポーネントからのパフォーマンスマップの計算や、これまでに実行したパフォーマンステストの結果のエクスポートなどができます。
さまざまな構文
- パフォーマンスマップの計算を実行
emtcli --project <FeMT component path> --inputs <input file path>
-
既存の計算結果をtxtフォーマットでエクスポート
emtcli --project <FeMT component path> --export <test name> <format> <output path>
-
計算を実行し、終了すると結果をエクスポート
emtcli --project <FeMT component path> --inputs <input file path> --export <test name> <format> <output path>
オプション
-
--project
: 計算やエクスポートの実行対象とするFlux e-Machine Toolbox連成コンポーネントへのパス --inputs
: 実行する計算の入力パラメータを収めたテキストファイルへのパス。このファイルには、Name=Value
の形式で定義したパラメータを1行に1つずつ記述する必要があります。ここに記述できるパラメータは、Flux e-Machine Toolboxアプリケーションに表示される入力パラメータに対応しています。このパラメータを次に示します:
TestName=<Name of the test to create to do a computation>
PhaseCurrent=<corresponds to the RMS phase current maximal (A)>
PhaseVoltage=<corresponds to the RMS phase voltage maximal (V)>
CommandMode=MTPA or MTPV or MTPA_FAST or MTPV_FAST <corresponds to the command mode>
MaxSpeed=<corresponds to the maximal speed (tr/min)>
InitialAngleComputation=USER or AUTO <corresponds tothe definition of the initial angle>
InitialAngle=<corresponds to the rotor intial angle (deg, to define only if InitialAngleComputation is fied at AUTO>
NbIdIq=<corresponds to the number of computation for Jd, Jq>
NbSpeed=<corresponds to the number of computation for the speed>
NbCompElectPeriod=<corresponds to the computation by electrical period>
DistributionEnabled=yes or no <corresponds to the distribution (local)>
CoreNumber=1 <corresponds to the number of cores (Mumps)>
NumericalMemory=2048 <corresponds to the numerical memory (MiB). 0 for dynamic memory. >
-–export
: この後に必ず次の3つの引数を記述する必要があります:<test name>
:連成コンポーネントに設定したテストのうち、結果のエクスポート元とするテストの名前。テキストファイルのエクスポート先とするエクスポートディレクトリの名前にも、この名前が使用されます。<format>
:エクスポートするファイルのフォーマット。現在のところ、文字列“TXT”のみを指定できます。結果をテキストフォーマットでエクスポートできます<output path>
:エクスポートディレクトリの作成先ディレクトリへのパス。このパスが既存のディレクトリを指していない場合は、コマンドラインによってこのディレクトリの作成が試行されます
DOSコンソールを介した使用例
FluxプロジェクトからFeMT連成コンポーネントを作成し、このコンポーネントへのパスを用意しておく必要があります。たとえば、d:\Example emtcli\Example.FEMTです。DOSを介してコマンドラインを使用するための手順を以下に示します:
- ユーザーの作業ディレクトリで、«inputs.txt»を名前とする新しいテキストファイルを作成します
- テキストエディターで«inputs.txt»ファイルを開いて、実行するテストの入力パラメータとして必要な値を入力します
- エクスプローラーから、作業ディレクトリでDOSウィンドウを開きます
- emtcliを容易に実行できるように、次のように、DOSウィンドウでEMachineToolkitのディレクトリ«bin»を環境変数«Path»に追加します
> set PATH=%PATH%;C:\Altair\Flux_2019.1\EMachineToolbox\bin
- つづいて、コマンド«emtcli»を実行して、テストを実施し、結果をエクスポートします
> emtcli --project Example.FEMT --inputs inputs.txt –export EMTCliExample TXT “d:\Example emtcli”