静的計算による初期化: 特殊なケース
一般的なケース
初期時刻t=0sにおいて非NULLの電磁界源(磁石、電流(定電流や三相電流など))が存在するケースでは、静的初期化によって現実(数値過渡現象なし)に近い計算が可能になります。
特殊なケース
以下のような状況が生じることがあります:
- 初期時刻t=0sにおける非NULLの電磁界源(前述のとおり)
- t=0sにおける回路状態の変化
- 接触子(t=0sの時点で電圧が確立)
- スイッチを閉じる
- コンデンサーの放電
これらの特殊な状況を以下に示します。
接触子
磁石付きの接触子(t=0sの時点で電圧が確立):
- 静的計算による初期化では、磁石によって生じた磁束を考慮できます。
-
“静的計算による初期化に関連する仮定”を考慮するために、電圧はt=0+イプシロンにおいて設定される必要があります。
⇒ 電圧は、次の図に示すように関数Validまたは関数ValidLRによって表されます。
有限要素の記述: | 回路の記述: |
---|---|
コアおよび磁石に巻かれたコイルは表現されていません。 |
U(t) = U0*Valid(t, 1e-8,) U(t) = U0*ValidLR(t,0, ,0,0) |
スイッチ
磁石付きのデバイス、および電気回路(t=0sの時点でスイッチが閉じられる):
- 静的計算による初期化では、磁石によって生じた磁束を考慮できます。
-
“静的計算による初期化に関連する仮定”を考慮するために、スイッチはt=0+イプシロンにおいて閉じられる必要があります。
⇒ 以下の例をご参照ください。
U0(t) = 48*ValidLR(t,0,,0,0) | U0(t) = 5*cos(ω*t)*ValidLR(Time,0,,0,0) |
Capacitor
磁石付きのデバイス、および電気回路(t=0sの時点でコンデンサーが放電される):
- 静的計算による初期化では、磁石によって生じた磁束を考慮できます。
- “静的計算による初期化に関連する仮定”を考慮するために、次のことが必要です:
- スイッチをコンデンサーと直列に追加します。
- t=0+イプシロンの時点でスイッチを開きます。