コンテナーエンティティ

MotionViewでは、モジュール式のモデル構築手法をサポートしており、この手法の採用をお勧めします。異なるエンティティをコンテナーに集めることにより、異なるアセンブリまたはサブシステムの集合体にモデルをまとめることができます。

どのような複雑さのモデルも、階層構造に整理できます。さらに、特定のイベントまたは解析のシミュレーションに必要となるエンティティは別々にまとめることが可能です。解析に大きな恩恵をもたらすため、初期の段階でモデルの計画と整理に手間がかかっても、機構システムはこの方法でモデル化することが強く参照されます。

利点として、下記が挙げられます:
  • 関連するサブシステムや集合体について明確な認識を与える
  • ワンクリックでコンテナーエンティティをアクティブ化または非アクティブ化でき、モデルのデバッグの際に便利
  • 作成されたコンテナーエンティティを定義ファイルにエクスポートし、別のモデルで再利用可能
例えば、ある複雑なモデルに、多くの油圧作動システムが含まれるとします。そのようなシステムは、そのコンポーネント、ジョイント、フォースおよびその他のエンティティを含めて一度モデル化すれば十分です。そのシステム定義は、システム定義ファイルにエクスポートし、別の作動システムを定義するために複数回再利用することが可能です。さらに、同じシステム定義を、作動システムについては同じエンティティを含む別の機構モデルに使うこともできます。
MotionViewは、このようなモデリング手法に効果的な次のコンテナーエンティティを提供しています。
  • システム
  • アセンブリ
  • アナリシス
各タイプの詳細については、システムの作成と編集アセンブリの作製と編集、およびアナリシスの作成と編集のトピックをご参照ください。
注:
  • ボディ、ポイント、ジョイントなどのモデルエンティティは、これらのコンテナーの子エンティティとなり得ます。
  • これらのコンテナーの外部にあるエンティティは、アタッチメントとして渡すことができます。 アタッチメント は、ローカル変数を宣言して、コンテナーの外部にあるエンティティでこれらの変数を参照できるようにする手段です。これにより、コンテナーエンティティは独立したモジュールとなり、別のモデルでの使用が可能となります。
  • コンテナーは定義ベースです。各コンテナーエンティティはDefinitionブロックを参照し、またMDL内のDataブロックを参照します。
上記のすべてのコンテナーエンティティが概念的に似ている一方、一部の特定の用途については異なっています。
  • システムおよびアセンブリは、モデルコンテナーとして考えることができます。
  • アナリシスは、イベントまたはタスクコンテナーです。それらは、システムまたはアセンブリおよびその他の、MBDモデルの解析イベントを表すモデリングエンティティを含むことが可能です。モデルにはいくつかのアナリシスが含まれる場合がありますが、1つのインスタンスでアクティブにできるのは1つのみです。
    例えば、4気筒エンジン機構は、1つのシリンダー、ピストン、コネクティングロッドおよびそれらのジョイントを含むそれぞれのシリンダー集合体用のシステムまたはアセンブリをもたせることでモデル化できます。クランクシャフトに既知のモーションを適用することでこのモデルについて運動学解析を実行しなければならない場合、このモーションおよび関連の出力をアナリシスコンテナーエンティティ内にモデル化することが可能です。もうひとつの解析として、ピストンが気体のフォースに反応する動解析が挙げられます。この動的イベントのシミュレーションに必要なこれらのフォースやその他のエンティティは、別のアナリシスコンテナーとして定義できます。
    注: 上記の2つのアナリシスは相互に排他的なので、一方のアナリシスがアクティブな場合は、もう一方のアナリストが非アクティブになります。