マルチスレッドとタイヤモデル

車両シミュレーション中のタイヤ力およびモーメントの計算は最も時間のかかるタスクの1つですが、マルチコアコンピューター上のタイヤモデルのマルチスレッド実行を使用すれば、シミュレーションのクロックタイムが大幅に短縮される可能性があります。

4輪車の場合、一般的にはマルチスレッド実行によってシミュレーションを完了するまでのクロックタイムが30~40%短縮されます。ただし、実際には、マルチスレッド実行に要する総CPU時間は、そのオーバーヘッドが原因で、シングルスレッド実行より長くなります。
CDTireモデルとFTireモデルはMotionSolveでのマルチスレッド実行が可能ですが、MF-TYREモデル、MF-SWIFTモデルではこれができません。CDTireとFTireでマルチスレッドを有効にする方法が異なるため、それぞれの方法を下の表で説明します:
タイヤモデル マルチスレッド対応 マルチスレッドの有効化
CDTire YES CDTireの場合、CDTire.iniファイルでマルチスレッドを制御します。マルチスレッドを有効にするには、パラレルブロック内の最大スレッド数を1より大きい数値に設定します。

例:

[Parallel]

MaxThreads=4

FTire YES マルチスレッドは環境変数NUSOL_MT_TIREで制御されます。
  • NUSOL_MT_TIRE = 1 (マルチスレッド実行)
  • NUSOL_MT_TIRE = 0 (シングルスレッド実行)
マルチスレッドが有効になっている場合は、FTIREがタイヤごとに1つのスレッドをスローします。
MF-TYRE

および

MF-SWIFT
NO 適用外