電力

アンテナの励振は通常は複素電圧として指定されますが、合計の放射電力または給電電力を指定する場合にも役立ちます。結果はスケーリングされ、目的とする給電電力レベルをもたらします。

Note: 電力はグローバルにも設定別にも指定できます。
Note:
  • Fekoではすべての複素値に対して最大振幅を使用します。電力スケーリングが行われない場合、電圧源と電流源は(二乗平均平方根値ではなく)最大振幅で指定する必要があります。
  • 電力設定は時間平均値として指定します。
Source/LoadタブのSettingsグループで、 Powerアイコンをクリックします。


Figure 1. Power settingsダイアログ。
No power scaling
指定した給電の大きさを使用して結果を計算する場合は、このオプションを選択します。
Tip: 平面波給電源は無限に広がっているので、無限の電力を持ちます。モデルに平面波給電源が含まれる場合は、No power scalingを選択します。
Total source power
合計給電電力(複数の給電源があるモデル内の個々のすべての給電源によって提供される電力の合計)がSource power (Watt)欄で指定した量と同じになるように結果をスケーリングする場合は、このオプションを選択します。不整合がないように考慮されます。
Note: このオプションは、平面波を除く任意の給電源で使用できます。
Incident power (transmission line model)

すべての構造が複素特性インピーダンス Z0による伝送ラインを使用して給電されると想定される場合は、このオプションを選択します。Source power欄には、これらすべての伝送ラインからの放射電力の合計を指定します。励振ポイントで伝送ラインのインピーダンスと構造の入力インピーダンスの間に不整合がある場合、放射電力の一部が給電源に反映されます。これが不整合損失です。

Fekoではすべての解析で常に合計給電電力が計算されます。大規模なモデルや多数の給電源があるモデルでは、相互カップリング(正確な給電電力の計算に必要とされる)の計算に長い時間がかかる可能性があります。

Decouple all sources when calculating powerチェックボックスを選択すると、給電電力の計算時のヘルツ電気 / 磁気ダイポールや印加ライン電流要素の相互カップリングが無視されます。

これが容認されるのは次の場合です:
  • 導波管について、給電源が相互に、およびモデル内の他の構造から比較的離れている場合
  • 正確な電力値が必要とされない場合
Decouple all sources when calculating powerオプションを選択すると、利得および指向性抽出は給電電力に基づいて行われ、一般に不正確になる傾向があります。